「若い人はだらしない」と言う人は多いですが、私自身は、若い人ほどしっかりしている印象があります。やはり、経済状況が厳しい中、育ってきたということがいちばん大きいでしょう。就職市場も大きく違う。私たちのようなバブル世代の若者にとっては、大学に行っても授業に出ず遊んでいるうちに卒業するのが常識でした。しかし、プレッシャー世代の若者は授業にも出るし、資格もとる。

高度経済成長期の頃は人材に対して仕事が超過需要であったので、遊んでいても生き残ることができた。けれど、今は仕事に対して人材が超過供給で、市場競争が厳しくなっている。不利な状況の中を生き残る必要があるために、たくましさが身についたのでしょう。物事をよく考えているし、堅実な人が多いと思います。

安定志向とチャレンジ志向に二極化

ただ、私が出会うプレッシャー世代の若者は、あくまで一部。世代が二極化しているんじゃないかという印象もあります。

私が知っている若者には、異世代とも躊躇なくオープンに交流し、自分の個性を発揮している人が多い。しかしその一方で、同世代の中で固まってしまっている若者たちも多いと思います。つまり、多様化している今の社会の流れにうまく対応している若者と、そうでない人たちがいる。そして、後者の人たちの中には、将来が不安なゆえに、過剰な安定志向を持っている人も多いと思います。

たとえば、この世代の将来の希望の第1位が、男子が公務員で、女子が専業主婦だったという話を聞きました。上の世代に比べてリスクを避け、保守化する傾向が明らかになっている。しかし、私としては、その安定志向は間違っていると思いますね。公務員や専業主婦になったからといって、それから数十年を安定して暮らしていけるような時代ではなくなっています。大企業のサラリーマンの夫と結婚したからといって、その会社がいつ無くなるかわからない。公務員の収入だって、いつカットされるかわからない。

今は無いものねだりの安定を欲しがっても得られない時代になっています。そうではなく、市場競争を柔軟に渡り歩き、海外にも目を向ける、チャレンジ精神を持つ人間になってほしいですね。


【二極化するプレッシャー世代の生き方】

●安定志向
同世代で固まり、異世代との交流は苦手。
将来の夢は公務員・専業主婦 !

●チャレンジ志向
異世代とも積極的に交流することができる。
夢を叶えるためなら、海外へ出ることや、年長者にサポートを求めることにも躊躇しない。

異世代とも躊躇なくオープンに交流し、自分の個性を発揮するプレッシャー世代がいる一方で、同世代とのコミュニティーで満足し、安定を求めている層も。チャレンジ志向と安定志向の二極化が顕著になっている。