写真:源賀津己
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例えば’07年に初めて行われ、現在では岡平さんのライフワークとも言えるほど大きな存在となっている『弾語り自走ツアー』は、自身の車で全国をくまなく周り、すべての会場で毎回異なるセットリストのライブを展開する。全国のファンと密接かつ濃密にコミュニケーションしていくスタイルは、世代や性別といった垣根を飛び越えてメッセージを放っていく岡平さんのパーソナリティが最大限に発揮されたものだ。
 

「全員おしゃべりな家庭に育ったからなのか、僕、中学生のファンとも普通に喋れるんですよ。あと2コ上にお姉ちゃんがいるんですけど、お姉ちゃんが女性的感性や女性の心をすべて教えてくれたので、例えば女6対男1でディズニーランドに行っても全然楽しめちゃうんです。なので、世代や性別間でのギャップみたいなものを感じることはないですね。ましてや25~30歳のプレッシャー世代なんて、俺より年上なんじゃないの?っていう感覚(笑)」
 

「ファンにどんな世代が多いかなんて、これまで考えたこともなかった」と言う岡平さんに、世代間の違いについてもう少し粘って聞いてみると、意外なところで世代の違いを感じることがあると語ってくれた。
 

「自分のファンはとても幅広いんですけど、若いほうのファンなんか若すぎて、自分の親のほうが年が近いんですね(笑)。そんな若い世代からは“健治兄(にい)”って呼ばれてるんです。でも25~30歳のプレッシャー世代は“健治君”って呼ぶんですよ。25歳から上は“健治君”で、下は全員“健治兄”」
 

19(ジューク)が活動した90年代後半から00年代前半は、岡平さんを“健治君”と呼ぶプレッシャー世代にとって、小学生~中学生~高校生の間というまさに思春期真っ盛りの時期。音楽をとりまく状況も、現在とまったく違っていた。
 

「ある意味、プレッシャー世代はすごくいい世代だと思います。なぜなら、青春時代に音楽が最盛期だったから。ポップスも強かったし、アイドルも強かったし、ダンスミュージックもロックも、すべての音楽が強かったと思います。意味が分からないものも売れていたし、メッセージの強いものも売れていた。芸術的感性がすごい凝縮してた時期を経験できて、すごいラッキーな世代なんじゃないですかね。まだギリギリ、みんなをグワッて動かす大きなうねりのようなものがあった」