(左から)染谷将太、夏帆、黒沢清監督

 映画『散歩する侵略者』のスピンオフドラマ「予兆 散歩する侵略者」の完成披露試写会&舞台あいさつが11日、東京都内で行われ、出演者の夏帆、染谷将太と黒沢清監督ほかが出席した。

 劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台を映画化した『散歩する侵略者』のアナザーストーリーを、新たな設定とキャストで制作したドラマ。映画とは一味違った新たな侵略サスペンスを描く。

 黒沢監督作品初出演の夏帆は「ずっと憧れていて、黒沢組に参加するのが一つの目標でもあった。とにかく緊張して、初日は自分でもしっかりしようと思うぐらいずっとふわふわしていた」と苦笑し、「緊張感はあるけど、萎縮してしまうようなものではなく、すごく気持ちのいい現場で本当に楽しかったです」と振り返った。

 日をまたいでの撮影がなく、映画界では珍しい規則正しさで知られる黒沢組の現場について、染谷が「最高でした。晩飯が家で食べられる。なかなかそんな現場はないですから」としみじみ語った。

 夏帆も「毎日家で晩ご飯を食べられて、こんな現場があるんだとびっくりしました」と語ったが、黒沢監督は「社会人として当たり前ですよね。これが普通だと思います」とさらりと語り、会場の拍手を浴びた。

 また、概念を奪う「侵略者」に乗っ取られるというアイデアを基にした物語にちなみ、共演した東出昌大から「皆さんの一番奪われたくない概念は何ですか?」との質問が寄せられた。

 染谷が「元も子もないですけど、人間って概念は奪われたくない」と答えると、夏帆は「私は食べることが好きなので、味覚を取られたくない。でもいろいろ考えるとどれも取られたくない。苦しみとか楽しみとか…難しいです」と頭を抱えていた。

 ドラマはWOWOWプライムで9月18日深夜0時から毎週月曜日オンエア。