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 ヒーローらしからぬ自由奔放なスタイルと過激なアクションで世界中を魅了した『デッドプール』シリーズのライアン・レイノルズが、ゲームの世界を舞台に、“ゲームのモブキャラ(人間が操作していない背景キャラ)”を演じる『フリー・ガイ』が、8月13日(金)から公開される。

 強盗・乱闘・不死身など、何でもありのオンライン参加型アクションゲーム「フリー・シティ」内で、平凡で退屈な毎日を繰り返すガイ(レイノルズ)。ある日、彼はモロトフ・ガール(ジョディ・カマー)というキャラとの運命的な出会いによって、新たな自分に生まれ変わるため、ゲーム内のプログラムや設定を無視して独自に行動を開始する。

 そんな本作は、SF映画の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)(以下『BTTF』)から多くのインスピレーションを受けたというだけあって、主演のレイノルズをはじめ、制作陣は、観客が『BTTF』を見たときに抱いたワクワク感を再現することを目指したという。

 実際に本作では、ゲームの世界ならではの、現実では描けない規格外のアクションシーンや、毎日同じことを繰り返していたモブキャラのガイが、全ての行動を変えていくという新たな冒険が描かれており、『BTTF』同様に、何が起こるか分からない、未知への期待感があふれる。

 また、『BTTF』の主人公のマーティ(マイケル・J・フォックス)が、過去にタイムスリップすることで、家族や大切な人への思いが強まったように、本作も、主人公のガイが、ヒーローを目指すことで周囲の人たちと信頼し合い、つながっていく様子が描かれる。

 レイノルズは「この映画のインスピレーションのかなりの部分は、『BTTF』からきている。その理由は、ショーン・レヴィ監督と僕が崇拝している映画だからなんだ。子どもの頃の僕は、『BTTF』を見終わって映画館を出たときに、足が宙に浮いているように感じたけど、この映画の観客にも同じように感じてほしい。見終わった後で、浮かれて走り出したくなるような、そんな映画になっているよ」と本作に込めた思いを熱く語った。

 『ナイト ミュージアム』シリーズなどを手掛けたレヴィ監督は「この映画を見て、温かさや人間らしさ、信じることや思いやり、人とのつながりの素晴らしさを感じてもらえたらいいなと思う。それが、僕たちがこの映画を作ったときに考えていたこと」と明かした。

 制作を統括するプロダクション・コーディネーターのイーサン・トーマンも「僕にとっては、『BTTF』で雷が時計台を撃った瞬間は、子ども時代の全てと言えるぐらい大事な瞬間だった。この映画にも、同じように人を感動させられる要素があると思う」と語った。

 作り手たちが『BTTF』へのリスペクトを詰め込んだ本作。ゲームの世界を守るために立ち上がったガイが、どのようにして世界を変えていくのか。彼は果たして主人公=ヒーローになれるのか…。必見だ!

(構成/田中雄二)