●キャラクターの魅力

『けいおん!』のメインキャラクターは軽音楽部に所属する5人の女の子たち。ボーカルとギターを担当する天然でドジっ娘な平沢唯に、ベースで人見知りなツンデレキャラの秋山澪、ドラムで軽音部部長の田井中律、お嬢様育ちのキーボード・琴吹紬、そして4人より1学年下でギターの“あずにゃん”こと中野梓。等身大の女子高生のような彼女たちが、部室で過ごす放課後の風景こそ『けいおん!』の真骨頂。何気ない会話を交わしながら、おやつを食べたり、時には真面目に練習したり。の時間を瑞々しく丁寧に追いかけていきます。

劇場版で描かれるのはそんな彼女たちの卒業旅行inロンドン。浮かれる卒業組の4人と、ひとり残されてしまう後輩のあずにゃんの切ない気持ちを軸に、物語が展開します。

●音楽のクオリティの高さ

本作の特徴のひとつに、劇中で使用された楽曲のクオリティの高さがあります。『けいおん!』の楽曲はアニメファンのみならず、中高生を中心に広く聴かれ、アニソンブームが一般に浸透する火付け役にもなりました。

もちろん売上としても成功をおさめ、第二期『けいおん!!』のOPとEDがオリコンデイリーチャートで1位&2位を独占したことも。それらのほとんどは彼女たち「放課後ティータイム」の演奏する楽曲という設定で、ポップでキャッチーなバンドサウンドが魅力。しかし随所に、音楽ファンをもうならせるテクニックが光ります。劇場版ではテレビ放送時の人気楽曲のほか、映画書き下しの楽曲も多数。音楽映画として観ても十分に楽しめます。