モーニング娘。にいたときは、全員がライバルだった

――例えば「あのころは大変だったね~」というようなことを、同世代のかつての仲間と話すことってありますか?
 

「モーニング娘。のときの話だったら、モーニング娘。のメンバーと話すことはありますよ。ソロのときだと松浦亜弥ちゃんが1年先にデビューしてるので、そのころのことを話したりとか」

――他のみなさんも藤本さんと同じように、当時は大変だったと?

「やっぱりみんなも最初はまったく経験がなかったので、振付けも大変だし歌も大変だし。それこそ1期じゃないメンバーは、すでにみんな踊れる中に入っていかなきゃいけないので。後輩になればなるほど踊りも大変になってたりもするので、そこはみんな同じ苦労をしてるんじゃないですかね」

――そんな苦労を共にした人たちとの間に、仲間意識のようなものはありますか?

「そうですね、みんな卒業して大人になったいまの方が、当時のことを冷静に話せたりもします。モーニング娘。にいたときって、みんな仲悪いわけじゃないんですけど、全員がライバルだからワイワイやる感じじゃなくて。当時は『大変だよねぇ~』なんて話さなかったですね。いまは全然普通に話したりできますけど。そのライバル心が、当時のモーニング娘。にとってはとてもよかったと思ってます」

――慣れ合いの関係ではなくて。

「だって別に、元々友だちじゃないですからね」

――(笑)オーディションで集まった、知らない同士ですもんね。
 

「あとやっぱり誰が目立てるか、あいつより目立ってやる、っていう勝負ですから。グループ内でそれがあるから、モーニング娘。はずっと輝いてきたと思うし。『いいよいいよ、前行きな!』とか、そんなのないですからね。『ちょいちょいちょい、あたしより出ないで』ぐらいな(笑)、みんなそんな感じなので。それは本当によかったなって思いますね」

――大変なこともあったと思いますが、藤本さんにとってこの10年間は、いいものでしたか?

「よかったです。なかなかこういう人生も経験できないじゃないですか、一度の人生で(笑)」