写真:コザイリサ

2021年の7月から9月にかけて放送されたTVアニメ『かげきしょうじょ!!』のスペシャルイベントが12月12日、東京・一ツ橋ホールにて開催された。

『かげきしょうじょ!!』は大正時代に創設された「紅華歌劇団」に入団する人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」を舞台に切磋琢磨する少女たちの姿を描いた作品だ。この日のイベントには、主人公・渡辺さらさ役の千本木彩花、奈良田愛役の花守ゆみりをはじめ、杉本紗和役の上坂すみれ、星野薫役の大地葉、山田彩子役の佐々木李子、沢田千夏役の松田利冴、沢田千秋役の松田颯水、里美星役の七海ひろきと、メインキャスト陣が勢揃い。それぞれ役を彷彿とさせるヘアスタイル、かつ役柄でも双子役ながら本人たちも双子という松田姉妹はお揃いのワンピースで登場! 実はアフレコは分散収録だったため、これまで全員が一緒に顔を合わせることは一度もなかったようで、この日の対面にキャスト陣がまず感無量の様子。

イベントはまず、キャストが選ぶ名場面紹介からスタート。昼の部では千本木、上坂、佐々木、利冴の4人が思い入れのあるシーンをそれぞれ選んだが、佐々木が選んだ山田彩子が退学を決意するものの教師・小野寺に説得されるという名場面で、登壇者の多くがまさかの大号泣。司会の天津・向の計らいで涙を拭う「タオルタイム」がもうけられるというハプニングが発生。宝塚音楽学校出身の七海ひろきがひときわ涙を流していた姿も印象的だった。

クリスマスにちなんだシチュエーションに合わせて“幸甚指数が上がるような”男役のセリフを披露するという「クリスマス男役オーディション」では、上坂が「モスクワから緊急帰国した謎の職業の彼」という設定を繰り出しロシア語を披露、会場を沸かせる。制限された表現でアニメの場面を再現する「五感で感じ取れ! 全力表現カリキュラム!」ではキャスト陣が普段見ることのできないマイムや限られた言葉での表現に奮闘するものの、千本木や花守ら出演者が見事なスピードで場面を当てていき、作品への思い入れの深さを感じさせる結果に。

最後のコーナーは通常と違うキャストでのシャッフル生アフレコ。しかしさらさと里美の運動会シーンで七海はそのまま、さらさは一時期は宝塚の男役を目指していたという佐々木で演じられ、佐々木の七海への思いが爆発(!?)する様に客席が大盛りあがりする場面も。

イベントの最後、挨拶で千本木が「『かげきしょうじょ!!』という作品を知れたことも人生の中で大きなポイントだったし、たくさんのことを教えてもらった座組であり作品」と語った『かげきしょうじょ!!』。その言葉に現れているように登場人物全員の“作品愛”が伝わってくる、終始笑顔に溢れたクリスマスイベントとなった。
アーカイブ視聴が可能なオンライン配信チケットは、12月18日(土)21:00までぴあにて発売中。

取材・文:川口有紀