音楽をやっている事で、一生会わなかったかもしれない皆とお酒を酌み交わせた
――現地の皆さんとお酒を酌み交わすというのも旅の醍醐味だと思うのですが、ナオトさんも相当お飲みになったんじゃないですか?
ナオト:「Sauti za Busara」の4日間はかなり飲みましたね! もうどのくらい飲んだか分からないくらい。
――アーティストの方でたまにライブがある時はお酒を控えるって方いらしゃいますけど、ナオトさんは全然平気ですか?
ナオト:そうですね。お酒によってマイナスになることは無いし、逆に喉がひらいていく時もありますね。
飲みながらライブやったり、飲みながら曲作ったりっていうその雰囲気ってすごくいいんだよね。
リラックスして力が抜けて、良いものが出来る。でも日本だとどうしても不謹慎って言われちゃうから難しいんですけどね。
――そのナオトさんの自分がまず楽しむ!という姿勢が観客に伝わって、大歓声につながっているのかもしれませんよね。
ナオト:あの歓声は足してますからね。というのは嘘で(笑)、自分の音楽が伝わったんだ、共鳴したんだって有難い瞬間ですね。
こうやって外国人の僕を受け入れてくれて、音楽をやってる事で一生話す事が無かったかもしれない人たちと一緒に飲めたりして。
――本作のスピンオフ的なスカパー番組では、堤真一さんがナレーションを務められていて、本編にはサッカーの香川真司選手が出ていらっしゃいますが、ナオトさんさすがの交友力ですね。
ナオト:堤の兄貴は『神様はバリにいる』(2013)という映画でご一緒して、堤さん、尾野真千子さん、玉木宏さんと1ヶ月バリにいたから、家族みたいに仲良くなりましたね。
やっぱり撮影が日本だと、撮影が終わったらお疲れ様でしたで終わるじゃないですか。でもバリだと寝る時間以外はずっと一緒なんで、ご飯もずっと一緒で毎日飲んでました。
10、20年くらいの濃さで距離が縮まった気がしますね。
堤の兄貴は素晴らしい役者さんで大尊敬しているんですけど、なぜか他人とは思えないですね。
そういったご縁もあって、兄貴もNHKで旅番組をやっている事もあって、旅への造詣も深いですしお願いしました。
シンジカガワは『Brave』という僕の曲のPVに出てもらうつもりが諸事情でダメになり、でもそこから親交がはじまって。
よく「ドイツに遊びに来てくださいよ」って社交辞令で言ってくれてたんですが本気で行っちゃいました。「本当に来ちゃったんですか?」みたいな(笑)。
ナオトが好きな旅映画・旅の本は?
――ナオトさんが旅で必ず聴く音楽とか持って行く本ってありますか?
ナオト:現地でCDを買って聴いてますね。その土地の伝統音楽と最新音楽を両方。
今回の旅では、ガーナの「チェチェクー」っていうアーティストがいて、ガーナのナオト・インティライミみたいな、こんな帽子被っていて、旅の中のフェスで聴いたんだけど今も結構聴いていますね。
――現地の楽器も買われたりして?
ナオト:セネガルでジャンベと、ジンバブエでムビラを買いました。
旅に出る度に買うので部屋は楽器でいっぱいで、200アイテムくらいはあるんじゃないかな。
――ナオトさんがお好きな旅をテーマにした本や映画を教えてください。
ナオト:映画『ザ・ビーチ』はロケーションが素晴らしくて、観た当時すごく感動しましたね。
あと小田実さんの『何でも見てやろう』は何十年も前の本ですけど、何度読み返しても面白いですね。
――それでは最後に、今回の旅を通してナオトさんが新たに気付いた発見や学びがありましたら教えていただけますでしょうか。
ナオト:旅の中でいくつかライブをやらせていただいて気付いたのは、受験があって勉強することも大事なんだけど、受験も無いのに勉強し続けることも難しさというか。
やれるか分からないのに、やる準備をしておくのは何なんだろう。やっぱりチャンスが来ることがあったらつかみたいんだろうね。会えるか分からないけど、「あの人にもし会ったらこれを聞こう」というのは用意しておく。
そういうことはよくやります。すると本当に会っちゃったりね。