
複数の銀行の口座を持っていると、お金の出し入れや移動が面倒だったり、どこにどれくらいお金があるのかわからなくなってしまいがち。
すっきり整理したい! そう思う人もいるのでは?
そんなとき、スマホひとつですべて完結できる銀行アプリを使えば、簡単に支出管理ができるだけではなく、なんとお金も貯まりやすくなっちゃう?!
今回はそんな必見のサービス「みんなの銀行」に注目!
マネーリテラシーをもう少し向上させたいと思っているウレぴあ総研マネー部のメンバー・片桐優妃さんが、「みんなの銀行」取締役頭取・永吉健一さんにお話を伺います!
デジタルネイティブ世代の人たちがいちばん使いやすい銀行に
――「みんなの銀行」が誕生したきっかけは、なんですか?
永吉さん:今、DX化や新しいサービスなど、様々な取り組みを各銀行がやっていますよね。私はもともと福岡銀行という伝統的な地方銀行に入行したのですが、2014~2015年頃に企画部門にいたとき、当時の社長に「今から10年先、銀行業界や金融業界はどうなっているのかを考えて、そこに向けての新規事業を考えて欲しい」という宿題をもらいました。
10年先となると、テクノロジーはすごく進化して、スマートフォンを全員が持つような世の中になるだろうと考えました。そこで「スマートフォンだけでシンプルに銀行取引や金融サービスが受けられるようなものを作りたいね」というアイデアが出てきたんです。
さらに「銀行の機能だけじゃなくて、その周辺の機能を取り込み、ユーザーに長く楽しく使ってもらえるようなサービスを作ろう」という話になりました。
そこで2016年、福岡銀行の外に新しく立ち上げたのが、iBankマーケティングという会社です。
提携する全国の地方銀行に、銀行の公式アプリとして「Wallet+(ウォレットプラス)」を提供していて、これが「みんなの銀行」の前身になっています。
「Wallet+」は、お金を見える化できたり、お客さまの夢(貯蓄の目的)ごとにお金を管理できる目的預金の作成が可能なサービスです。
これはのちに「みんなの銀行」にも引き継がれていくのですが、「食費」「家賃」「交際費」のように自分でラベリングしてお金を管理することができて、ポイント付与やクーポンの機能も持っています。今でこそこういったサービスはいくつもありますが、当時はこういうサービスを金融機関が作るということは無かったんですよね。
――確かにスマートフォンでお金の管理が簡単にできるという点が、「みんなの銀行」と近いですね。
永吉さん:「Wallet+」を立ち上げて半年も経たないうちに、「みんなの銀行」の立ち上げ企画がスタートしています。
あくまで「Wallet+」のアプリ自体は、担当者としての強い意思を持って行動さえすればどんなものでも作れますが、「銀行の商品やサービスそのもの」は自分たち(iBankマーケティング)では作れないんですね。銀行の機能というのは銀行免許を持つ銀行にしか作れない。
ただ、これまで以上にスピード感を持って動かないと銀行の将来って危ういかも、という危機感も持っていたので、銀行そのものをゼロから作ろう、ゼロから作った方が10年後にフィットする新しい商品やサービスを生み出せるのではないか、と考えたんです。それが「みんなの銀行」を立ち上げるきっかけですね。
――当初から今の「みんなの銀行」に近い形だったのでしょうか?
永吉さん:「10年後の銀行」というコンセプトで、今はまだないカタチを作ろうとプランニングしていく中で、デジタルネイティブ世代をターゲットにしようと考えました。
一般的に地方銀行やメガバンクのユーザーの年齢分布は、40代以上の方が7割で、30代以下の方は実は3割しかいないんですよね。銀行にとっては、ある程度お金を持っている人、預金してくれる人、資産運用ができる人、ローンを組む人が主なお客様なんです。
一方で、30代以下の若い世代は、その時点では銀行として儲かるお客様ではないので(笑)、銀行は40代以上の世代に向けて、商品開発やマーケティングをすることになります。そうすると、若い方からするとどうしても野暮ったい、使いづらいサービスになってしまう。
10年後の銀行を作るのならば、10年先に銀行のメインユーザーとなるお客様を獲得して、ファンになってもらい、そのまま一緒に成長していきたいと考えました。最初から「デジタルネイティブ世代の人たちにとっていちばん使いやすい銀行を作る」というコンセプトを設けています。