NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。鎌倉幕府の最高権力者に上り詰めた2代執権・北条義時(小栗旬)の生涯を描く物語だが、2月6日放送の第5回「兄との約束」では、義時と共に平家打倒を目指す源頼朝(大泉洋)の挙兵に加わった兄・宗時が戦死。早くも物語から姿を消すこととなった。これに関して、ここまで宗時を演じてきた片岡愛之助が、コメントを発表した。
まず、義時との最後のシーンについて、「小四郎、弟(義時)との今生の別れとなるシーンでした」と前置きした上で、宗時の立場を踏まえて、「われわれは台本を読んでそのことを知っていますが、本当の宗時と義時はそんなことを知らない。だから“今生の別れ”という演技ではなく、坂東武者の世を作りたいという本心を義時に打ち明けて、『よし、行ってくる!』というふうに演じています」と演技に込めた思いを語った。
とはいえ、愛之助自身には“これで最後”という意識が少なからずあったらしく、「最後に歩いて去るときにいろいろなことを思いそうになりましたが、集中して、『行ってくる!』という気持ちで勤め上げました」と打ち明けた。
また、宗時の生き方については、「坂東武者の世を目指すというのはすごくハードルが高いと思うんですけれども、やはり大志を抱くというのはいいことだと思います」と認め、「だから、こういう思いで突き進んだ宗時という人は本当にすてきだと思います」とリスペクトを口にした。
さらに、自身と宗時を重ねて、「自分も実際に宗時の立場だったら、そうしたかも知れません」と締めくくった。
志半ばで世を去った宗時だが、物語の上では頼朝を北条家に迎える重要な役割を果たし、勢いに任せに突っ走る性格ながら、真っすぐで憎めないキャラクターも、愛之助の演技によって視聴者に強い印象を残した。そんな兄・宗時の意志を受け継いだ義時が、これからどんな活躍を見せるのかが、注目される。