不動産情報サービスのアットホームは「不動産情報サイト アットホーム」で、賃貸居住用物件で物件詳細ページのアクセス数の多かった駅を「人気の駅」とし、不動産広告の表示に応じて定義した「シングル」「カップル」「ファミリー」」の「アットホーム人気の駅ランキング 首都圏編」を公開した。今回は、このうち、「ファミリー」のランキングを紹介する。 定義は、「シングル」がワンルーム・1K・1DK、「カップル」が1LDK・2K・2DK、「ファミリー」が2LDK以上。シングルでも広い部屋に賃貸で住みたい場合は、今回の「ファミリーに人気」の駅ランキング」は参考になるだろう。なお、不動産広告においては、DKの最低必要な広さは、居室(寝室)数1の場合は4.5畳、2部屋以上の場合は10畳以上と定められている。
ファミリーに人気の駅ランキング1位は、JR東海道線・湘南新宿ラインの平塚駅(総合7位)。2021年春のダイヤ改正で登場した「特急湘南」も一部の列車は停車する。東京駅までの所要時間は平日日中が60分・朝の通勤時間帯が74分。湘南新宿ライン利用で、渋谷・新宿・池袋にも乗り換えなしで行けるので、駅徒歩圏内なら十分に通勤可能エリアだ。
西口には駅徒歩1分の保育園もあり、大型遊具のある「平塚市総合公園」や「湘南海岸公園(平塚市高浜台)」「神奈川県立花と緑のふれあいセンター 花菜ガーデン」といった公園・スポーツ施設、医療機関も多いのでまさにファミリーにはおすすめだ。従来はイメージから人気が低かったが、駅徒歩圏内の新築マンション建設ラッシュやリモートワークの普及で意識する人が増えたようだ。
平塚は、ARUHIが実施した「本当に住みやすい街大賞2021 シニア編」でも第3位を獲得している。温暖な気候や広い道路もシニア向けのプラスの評価につながっている。
2位は本厚木、3位は町田、4位は橋本、5位は辻堂だった。本厚木(総合3位)・町田(総合2位)は小田急小田原線の特急停車駅で、新宿には乗り換えなしで行きやすい。JR横浜線も乗り入れる町田はビックカメラとヨドバシカメラがやや離れて出店する沿線有数のターミナル駅。橋本は今後リニア中央新幹線の開通によってさらなる人気上昇が期待される。
辻堂はARUHIが実施した「本当に住みやすい街大賞2022」では第1位に輝いた人気の駅。21年春のダイヤ改正で新たに上野行きの始発(1本)も設定され、駅直結ショッピングモール「テラスモール湘南」がファミリー層に好評のようだ。
アットホーム人気の駅ランキング 首都圏編は、首都圏全体を対象としているが、トップ10は、3位の町田、6位の大宮、7位の館山、9位の成田以外、神奈川県内の駅となった。
ファミリーや広い部屋に住みたい単身者は、この「人気の駅ランキング」の上位に入っておらず、新宿・渋谷・丸の内(東京)など、都心のターミナル駅に行きやすい駅を探すと、若干の不便さと引き換えに住居費を抑えられるだろう。特にリモートワーク中心で出社日が少ないなら、有料特急やJR東日本のグリーン車の設定がある路線がおすすめだ。(BCN・嵯峨野 芙美)