「春画展」

「ニコニコ美術館」は、株式会社ドワンゴが運営するライブ配信サービス「ニコニコ生放送」内のコンテンツ。美術館や博物館の展覧会会場から、生中継でその模様を伝えている。

単に展示作品を映すだけでなく、有識者や専門家のわかりやすい解説を交えながらの放送であること、生放送終了後もタイムシフト再生可能であることなど、新しい形で展覧会鑑賞ができることから注目を集めている。

また、ニコ美が愛される何よりの理由はコメント機能。

ユーザーは放送の感想や、放送中に感じた疑問を画面内に投稿することができ、他のユーザーや司会者、専門家と対話をしながら展覧会を楽しむことができる。

すでにおよそ100か所の展覧会を生放送で紹介してきたが、現在もタイムシフト再生で鑑賞可能なニコ美のアーカイブのなかから、おすすめをピックアップ。

おうち時間にゆっくりと美術鑑賞を楽しもう。

「ニコニコ美術館」おすすめ配信5選!

1 三菱一号館美術館「印象派・光の系譜」を巡ろう(出演:和田彩花)

現在あべのハルカス美術館で開催中(4月3日まで)の『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜』。

ニコ美では、三菱一号館美術館で行われた東京展の模様が生配信された。

三菱一号館美術館「印象派・光の系譜」を巡ろう

アイドルの和田彩花さんが進行を、三菱一号館美術館学芸員の安井裕雄さんが解説を担当。イスラエル博物館の所蔵する印象派作品を中心に、印象派の画家たちがどのように光を描いていったのか変遷をたどっていく。

大学院で西洋美術史を専攻し、印象派の先駆者・マネを中心に研究していた和田さんは独自の視点で作品をレビュー。視聴者だけでなく、安井さんも驚く鋭い指摘が飛び去ることも。

また、日本での知名度が低かったにもかかわらず、展覧会初日に絵葉書が完売してしまったことで注目されている画家、レッサー・ユリイの作品《夜のベルリン広場》については、視聴者が「有楽町のビックカメラ前のよう」と投稿。

三菱一号館美術館「印象派・光の系譜」を巡ろう

安井さんの「せっかくの作品の余韻が〜」という泣きのリアクションに、たくさんのコメントがつき、大いに盛り上がった。

2)東京国立博物館 特別展「最澄と天台宗のすべて」 を巡ろう(出演:橋本麻里×おかざき真里×皿井舞)

平安時代、日本で天台宗を広め数々の弟子たちを育て上げた最澄の1200年遠忌を記念して開催されたこちらの展覧会には、比叡山延暦寺をはじめゆかりのある寺院が守ってきた宝物が一同に集結。

配信では、東京国立博物館の担当学芸員の皿井舞さん、最澄と空海の物語を描いた漫画『阿・吽』の作者、おかざき真里さんが解説を行い、永青文庫副館長で、ライター・エディターの橋本麻里が進行を務めている。

東京国立博物館 特別展「最澄と天台宗のすべて」 を巡ろう

この放送では、全国各地の秘仏がたっぷりと登場。そのため、会場内の映像は画面のコメント表示がオフとなった状態で中継された。

美しい仏像や書がじっくりと映し出されるなか、細やかな解説が流れる、いつもとはスタイルの異なるニコ美も視聴者には好評だったようだ。

東京国立博物館 特別展「最澄と天台宗のすべて」 を巡ろう

なお「最澄と天台宗のすべて」は、現在九州国立博物館に巡回中で、ニコ美では2月14日に九州国立博物館の展示室からも生配信が行われた。同展は4月からは京都国立博物館にも巡回する。