『スター・ウォーズ』シリーズ続3部作の第2章に当たる『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開された。
オープニングで、ジョン・ウィリアムズ作曲のファンファーレが鳴り響くと、一気にその世界に引き込まれる。これは1977年から連綿と積み重ねられてきたシリーズの歴史の長さ故だと感じた。
本作は、前作『~フォースの覚醒』(15)直後の話で、主人公のレイ(デイジー・リドリー)、フォースの暗黒面の担い手カイロ・レン(アダム・ドライバー)、レジスタンスのパイロットのポー(オスカー・アイザック)、迷える兵士フィン(ジョン・ボイエガ)、そして新型ドロイドのBB-8といった魅力的なキャラクターの“その後”が描かれる。
ところで、この続3部作の主役は、身のこなしが良く、若さが魅力のレイなのだが、『~フォースの覚醒』の“裏主役”がハン・ソロ(ハリソン・フォード)だったことから、2作目と3作目ではルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)とレイア姫(キャリー・フィッシャー)が裏主役となり、それぞれが『スター・ウォーズ』に決着を着けていくのでは…と勝手に想像していた。その予想通り、やはり今回の裏主役はルークであった。
前作のJ.J.エイブラムスに代わって監督、脚本を担当したライアン・ジョンソンは「全ての『スター・ウォーズ』シリーズの根本は、子どもが思春期を経て大人になっていく過程で、自分の内面にある力に気付き、それをどう使うのか、誰を信頼するのか、新たな世界の中で自分の居場所をどう見付けていくのか、という地図のような物語だ」と語っていた。
その言葉通り、今回は若さ故に思い悩むレイとカイロ・レンはもとより、ジェダイ・マスターとなりながら悟りが開けないルークの姿を前面に置き、互いの関わりを描くことで、シリーズに共通する“苦悩と成長”というテーマを浮かび上がらせた。
加えて、本作は、それぞれのキャラクターが抱える別々の物語が、後半にいくに従って、一つに集約されていくという展開のうまさも感じさせる。3作目は再びエイブラムスが監督をするという。“中継ぎ”役を立派に果たしたジョンソンに拍手を送りたい。
最後になるが、筆者のようなオールドファンにとっては、やはり、ハミルとフィッシャーが『~ジェダイの帰還』(83)以来、34年ぶりに共演を果たしたことに感慨深いものがあった。
シリーズ開始当初は、兄妹役だとは明かされておらず、若い恋人同士のように見えた2人が、互いに年を取り、しわだらけになって対面している。しかもフィッシャーが本作の撮影後に急逝したことを思うと、再会を喜びながらも、時の流れを実感させられ、寂しさを感じさせられたのは否めない。
とはいえ、フィッシャーの死によって、第3部の展開は大きく変わるのか。レイたちのその後は…など、まだまだ興味は尽きない。(田中雄二)