楽天経済圏のポイント付与に関する主な変更点(2022年4月1日以降)

楽天市場のポイント付与ルール変更に加え、楽天銀行の優遇プログラム「楽天銀行ハッピープログラム」の楽天証券で保有する投資信託にかかわる進呈ポイントも変更される。変更時期はともに2022年4月1日。

 

楽天銀行と楽天証券をセットで利用して申し込むと適用される「マネーブリッジ」に関しても、4月1日以降、楽天銀行に預けた円普通預金の金利優遇対象の預金残高に上限を設定され、保有する300万円超の現金を普通預金口座に預けてわずかながらも利息を得る、ノーリスク超低リターンの資産運用は不可能になってしまった。

同じく4月1日に、PayPay利用時に付与される「PayPayボーナス」は「PayPayポイント」に名称変更し、税金などの支払いに便利な「PayPay請求書払い」はPayPayポイント付与の対象外となる。このPayPay請求書払いのポイント付与ルール変更は、スマートフォン決済サービスの普及に与える影響は大きいと考えられ、楽天市場のポイント付与ルール変更以上に残念だ。

新型コロナウイルス感染症の影響で停滞した日本経済活性化のため、企業に対して賃上げを求める政策が取られている。電気代、ガソリン代、外食のドーナツや牛丼、食料品、住宅設備など、事前告知や告知なしの値上げが相次ぐが、値上げ分相当またはそれ以上に働く世代の給与が上がるならば差し引きゼロまたはプラスだ。

給与はほとんど上がらないものの、ポイントをためる・使う活動「ポイ活」で得られるポイント獲得数だけはうなぎのぼりという、ポイ活ブームがアンバランスだった、給与増とマイルドなインフレが続く、正常な経済成長がようやく始まったと後から振り返る結果になれば成功だが、さてどうなるだろうか。

楽天市場をはじめとする、楽天グループのポイント進呈ルール改定の背景には、モバイル事業(楽天モバイル)への膨大な投資があるといわれ、楽天モバイルのMNOサービス開始3年目となる今年は正念場といえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)