伝統を焼き尽くす“衝撃のスター・ウォーズ”
“衝撃のスター・ウォーズ”との触れ込みの通り、『最後のジェダイ』はこれまでのシリーズの常識を覆すシーンの連続でした。
ルーク・スカイウォーカー、そして衝撃の再登場を果たしたマスター・ヨーダがジェダイの聖典を焼き払ったように、「スター・ウォーズ」の伝統を焼き尽くす、あまりに大胆なストーリーです。
ストーリー自体の評価はさておき、『最後のジェダイ』は新しいサーガを築こうとする強い意思を感じる作品でした。
ディズニーによる買収から始まった新たな物語
そもそも『最後のジェダイ』が公開されたのは、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収したからです。
ディズニーによるスター・ウォーズは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(エピソード7)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(エピソード8)と3作目になります。
『フォースの覚醒』はディズニー買収による新たなシリーズのお披露目的な作品で、古くからのファンへのサービスを忘れない一方で新たな主人公たちを見せる作品でした。
続く『ローグ・ワン』は、エピソード3とエピソード4の間を描いたスピンオフ。
『スター・ウォーズ』シリーズでは一言の言及で済まされた「名も無きヒーロー」たちによる、エピソード4のオープニング直前までの「デス・スター設計図入手作戦」を描きました。
そして公開された『最後のジェダイ』。
ディズニーが今の時代の「スター・ウォーズ」に与えた役割が現れていると感じました。
「名も無きヒーロー」が主役
『最後のジェダイ』では、『フォースの覚醒』で謎に包まれていたレイの両親がついに明かされます。
それはジェダイでもシスでもなく、酒の金のために自身を売った「名も無きただの人」でした。
レイはフォースを受け継いだ者ではなく、自身で持っていたフォースが覚醒しただけの存在だったのです。
エピソード7以降の新3部作からのキャラクターで、スカイウォーカーの血を継ぐのはダークサイドのカイロ・レンただ一人であることが明らかになりました。