埼玉県と県内対象地域9市町村が連携し、人口減少が進む地域への移住を促進するため、条件を全て満たすと支援金を支給する移住支援金制度(移住就業等支援金支給事業)は、2021年度に条件が緩和され、21年4月1日以降に移住した場合に限り、移住後もテレワークで現在の仕事を続ける人、専門人材制度(プロフェッショナル人材事業等)を通して就業した人、「市町村から関係人口と認められた人」も対象となった。
移住先対象の自治体は、秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、小鹿野町、東秩父村、神川町の9市町村。支援金額は単身での移住の場合は60万円、世帯(世帯人員2人以上)の移住の場合は100万円。そのうち、JR新宿駅から最短約1時間の飯能市は、子育て世代の移住促進のため、22年度は、18歳未満(4月1日時点)の子どもを帯同しての移住では独自に30万円加算し、移住支援金を最大130万円に引き上げる。
条件の一つ、「東京23区在住または通勤」の詳細は複雑なため割愛するが、ずっと東京23区勤務なら、おおむね条件を満たすはずだ。また、「移住後もテレワークで現在の仕事を続ける人」のテレワークの定義は「対象市町村への転入から移住支援金の申請までの3カ月間に、勤務日の過半を所属先企業に通勤せずに移住先で業務にあたること」となっている。
申請期限は「対象市町村への移住後3か月以上1年以内であること」「就業が要件の場合、新規就業から3か月を経過していること」「起業が要件の場合、県の起業支援金の交付決定を受けてから1年以内であること」で、各市町村の予算の範囲内での支給となるため、年度ごとに先着順となる。
21年度は飯能市のみ年度途中で予算額に到達し、受付終了となった。そこで22年度は、22年4月1日8時30分から申請を受け付け、4月11日17時15分までに予算額を超える申請があった場合は抽選会を実施し、交付対象者を決定するという。先着順より公平だが、申請時点で申請書類一式が全て必要となるため、引き続き早い者勝ちだ。
新型コロナ禍を受け、東京23区外への移住の意志があり、最大100万円(飯能市は最大130万円)もの支援金がもらえるなら移住してみたいと思うなら、まずは対象の埼玉県9市町村を訪れてみてはどうだろうか。移住支援金は他の地域でも実施しており、都道府県・市町村や関連団体、民間企業・スタートアップ、ブロガーなどによる、さまざまな移住支援・移住情報サイトもオープンしている。(BCN・嵯峨野 芙美)