「私の家事や子どもの教育にあれこれと口を出してくる義母が嫌で、夫に伝えると『俺たちのことを思ってくれているのだから我慢しろ』と言われたことがショックで、夫とも義実家とも距離を置くようになりました。
家のなかではほとんど口をきかず、義実家にいっさい関わらなくなった私に最初は夫も『いつまでそんな態度でいる気だ』と嫌味を言ってきましたが、無視する状態が半年ほど続いていました。
離婚を決めて、正社員で働ける会社を探していたのですが、運良く資格を活かせる会社が見つかり夫に黙ったまま就職。
私と同じく義母を嫌がっていた息子にだけ就職を伝え、離婚する意志を話したら、『お父さんには言わないでね』とお願いしたのに私がいないところで打ち明けてしまったようで。
その日、息子が寝るのを待ったように夫が『どういうことだ』と言ってきたので、全部を話しました。
実際に私が働く先を見つけたことで離婚を実感したのか、『ちょっと待ってくれ。そこまでしなくても』と言う夫に、『家族より自分の親を優先するあなたなのだから、別に問題ないでしょう』と返すと黙りましたね。
息子から『お母さんについていく』と言われたらしく、それも夫には衝撃だったと思います。
夫の態度が変わったのは次の日で、『実家に行ってきた。うちに口出しするなと母には伝えたから』と、私と息子の前ではっきり口にしたことには驚きました。
謝罪はなかったですが、反省した様子の夫を見たら、私の行動や息子の言葉が相当苦しかったのだと思います。
それから家事をするようになり、息子の話にもちゃんと耳を傾け、私をいたわるような振る舞いを見て離婚を考え直しました。
私はそのまま就職した会社で働いていますが、親子水入らずの時間が増えて少しずつ穏やかな日常になっています」(女性/37歳/歯科衛生士)
仮面夫婦に一直線のこんな状態は、離婚を決めて動いたことで配偶者に衝撃を与え、反省を促します。
自分に非はないと思っていても、配偶者がそれを拒絶する現実は受け止めるしかありません。
決意の深さを知り、歩み寄る勇気を夫が持てたことで、関係の修復が進んだケースです。