マーベル・スタジオの2022年劇場公開の幕開けを飾るのは、大ヒットを記録した『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』のその後を描く、マーベル史上、最も予測不能で壮大な戦いを描いたファンタジック・アクション超大作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(5月4日(水・祝)公開)だ。
『~ノー・ウェイ・ホーム』での激戦を経て、アベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)が、無数のパラレルワールドが存在する、“マルチバースの世界”に挑む本作の予告編からは、異なる雰囲気、容姿を備えたストレンジたちの姿を垣間見ることができる。
本作を監督した、『スパイダーマン』シリーズ(02・04・07)で知られるサム・ライミが、主要キャラクターたちの異なるバージョンについて言及し、マルチバースの無限の可能性について解説した。
これまで独自の世界観で、数々の名作を生み出してきたライミ監督は「ドクター・ストレンジは、マルチバースの世界でさまざまなバージョンのストレンジたちと出会う」と明かす。
確かに、予告編には、マルチバースの世界に存在する、ストレンジと全く同じ姿ながら、邪悪な雰囲気を漂わせるストレンジ、髪形の違う精悍(せいかん)な顔つきのストレンジ、そして、混沌(こんとん)とした世界を予感させる、異形な姿のストレンジなどが登場している。
新映像が公開されるたびに、SNS 上では「何が起こるか気になる…!」「ワンダ(スカーレット・ウィッチ)の他の種類もいるの…!?」と盛り上がりを見せている。
ライミ監督は「ワンダ(エリザベス・オルセン)は、ストレンジ並みに強いキャラ。ストレンジがマルチバースを旅する途中で、彼女の別バージョンに遭遇することになる。別バージョンのワンダはとても邪悪で、見る者はヒーローたちの戦いに興奮するだろう。おのおのが独自の視点、考えを持っているからぶつかり合うんだ」と、アベンジャーズ最強の魔女ワンダ・マキシモフにも、ストレンジ同様、もう一人のワンダが存在することを明かした。
劇中では、「毎日あるのは同じ悪夢」と、これまで家族、恋人、仲間と大切な者たちを失ってきたワンダの苦悩が描かれているが、彼女が対峙(たいじ)するであろう、異なるワンダが、本作にどのような影響を与えるのかにも注目だ。
さらに、ライミ監督は、『ドクター・ストレンジ』で初登場し、ストレンジが唯一心を許せる存在であった元恋人のクリスティーン・パーマー(レイチェル・マクアダムス)についても、「観客は彼女の別バージョンの姿を見ることになるかもしれない。だから、ストレンジとクリスティーンの恋愛的な関係性にはまだ可能性があるかもしれない」と、異なるクリスティーンの存在を示唆するコメントを寄せた。
予告編では、新しいパートナーと結婚し、新たな人生を歩まんとする、クリスティーンの幸せそうな姿が描かれる一方で、彼女が、ストレンジの隣でマルチバースの世界を目の当たりにし、ぼうぜんとする姿も映る。クリスティーンがこの予測不能な物語にどう関わってくるのかも、見どころの一つだ。
製作のリッチー・パーマーは「私たちは最もスリリングな映画を作りたいと考えていた。サム・ライミはまさにこの作品にうってつけの監督。出来上がった映像は、全く予想もしていなかったものだった」と語る。
『~ノー・ウェイ・ホーム』では、これまで決して交わることがなかったヒーローたちの夢の共演が話題となったが、本作では一体どんな展開が待ち受けているのか、ぜひ劇場で確認してほしい。
(構成/田中雄二)