そして、何と言っても、2年という時間の流れを感じさせない、むしろ厚みの増したパフォーマンスは、安心と驚きを覚えるものだった。

『Chandelier』『STILL』などのバラードは、どこまでもエモーショナルで、歌詞の内容も相まってぐっと胸を締め付ける。

特に、このツアーで初めてふたりで披露した『Bolero』は絶品。目を合わせ、互いの存在を確かめながら声を絡め、言葉を紡ぐユンホとチャンミン。「赤」と「青」の光の中、ふたりはこの壮大なドラマを、ユンホは顔を歪め、チャンミンは肩を震わせながらロングトーンと3段ブースターで、文字通り全身で歌い上げていく。それは魂の歌といってもいいかもしれない。渾身の熱唱は、聴く者の心を揺さぶり、ペンライトを振る手を忘れさせてしまった。歌い終えた後に、再び姿を見せた双頭の不死鳥が真っ赤に煌めいていたのも印象的だった。さらに、『Begin~Again Version~』もあるが、これは後述したいと思う。

「双頭の不死鳥」は東方神起そのもの

そして、東方神起の真骨頂を発揮するのは、やはりダンスパフォーマンス。頭の3曲は言わずもがな、ブラスサウンド高らかに、艶めかしく誘う『Spinning』、パワフルかつキレのある『Survivor』、“ハルクダンス”“龍ダンス”“鏡ダンス”など斬新な『Catch Me -If you wanna-』、フロートの上で飛んでは跳ねてコミカルに楽しませる『Easy Mind』や『I just can’t quit myself』に、燃える太陽を配したステージで挑発的な笑みを浮かべ、体が千切れんばかりに踊る『Rising Sun』など、多彩なパフォーマンスはどれもブランクを感じさせるものは一切無く、ただただ惹かれるばかり。(『Easy Mind』最後のユンホの口笛が安定のカスカスなのもファンにはうれしいところだろう)

でも、何と言っても代表曲『Why? [Keep Your Head Down]』だ。2011年の再始動の際、「王の帰還」を告げたこの曲で本編を締めくくったというのも意味がある。5万5000人がその気迫とエナジーあふれる重厚なパフォーマンスに圧倒され、ふたりにひれ伏すのだった。

また、アンコール一発目の『MAXIMUM』、この、再始動の際のもう一つの楽曲も然り。表情から指先の振り一つまで気合いがみなぎり、見ているこちらも血がたぎる。この曲では、回転ステージやムービングステージを用いて移動しながら会場を煽っただけでなく、ファンとの目線が同じとなるようステージ下を歩いて後方のサブステージに移動する場面もあった。