FBI捜査官のエリザベスが、“犯罪コンシェルジュ”と呼ばれる最重要指名手配犯レイモンド・“レッド”・レディントンが所持する“ブラックリスト”の情報を基に、凶悪犯罪者を追跡するアクションサスペンス超大作「ブラックリスト」。シーズン5では、仲間に裏切られて全てを失ったレディントンが、自身の帝国を再建しようと奔走する姿を中心に、実の父親がレディントンであると判明し、新しい関係を築こうと努力するエリザベス、レディントンが関わる人骨の謎を追うエリザベスの夫、トム・キーンの姿などが描かれる。待望のシーズン5独占日本初放送を前に、トム役のライアン・エッゴールドが緊急来日し、インタビューに応じた。
-シリーズの継続は人気の表れですが、5まで続くと思っていましたか。
何が視聴者の心をつかむかは分からないので、最初は想像もしていなかったけど、今は納得しているよ。
-では、作品が愛される理由とは?
まずは、共感できたり、自分自身を投影できたりするキャラクターが、少なくとも一人はいること。そして、レディントンという興味深いキャラクターがいること。彼の言動には常に驚かされるし、だからこそ、「次は何が起きる?」と考えながら見られることが、視聴者が楽しめる要因の一つだと思う。
-視聴者を裏切り続ける展開が魅力的ですが、シーズン5の注目ポイントは。
このドラマは、シーズンごとにピースがはめられていく、一つの大きなパズルなんだ。今回も視聴者の想像を超えるピースが含まれているから楽しめるし、スーツケースに入った人骨によって、レディントンが隠し続けていた謎が少しずつ解明されていくのも見どころだね。
-その人骨によって、レディントンとトムの間にはまたひともんちゃくがあり、なかなか一つになれないですね。
そうだね、これまでは悲しいかな、そんな関係だったけど、今回はレディントンがエリザベスの父親だと判明するし、トムはリズの夫だから、互いに避けることも、殺すこともできないから、どうにか共存して仲良くなる方法を見つけようとするんだ。でも、それが難しい…。けれども、そこも注目だ。人を殺すのはうまくても、人付き合いは下手な2人が、一生懸命に努力している姿はおかしいよ(笑)。
-実は潜入工作員だったり、エリザベスの死を徹底的に偽装したり、今シーズンでも人骨の謎を追うなど、トムは物語の展開を担う重要なキャラクターですが、このような大役になることは想像していましたか。
全く想像していなかった。物語が進むうちに自然発生的にそうなったんだ。テレビシリーズは視聴者の反応が影響することもあって、例えば、トムはエリザベスを裏切ったけれど、それを悔い改めて戻ってきて、だんだんヒーローみたいになったでしょ。その流れが、トムをより魅力的な役どころに変えていったし、脚本家もそこをクローズアップして描けば面白いし、視聴者にウケると気付いたんじゃないかな。
-ドラマならではの作り方ですね。ちなみに、トム役にはオーディションで選ばれたのでしょうか。
そうだけど、最初は乗り気じゃなかったんだ。優しい夫で主役の女性をサポートする役と説明されて、あまり面白そうじゃないなぁと思ってね。でもオーディションで、優しい夫らしいせりふの後に、ダークで暴力的な拷問シーンのせりふがあって、この役には裏の顔があると知ったときに、初めてやりたいと思ったよ。こういう展開ならドラマ自体も面白いだろうなと思ったからね。
-役へのアプローチでこだわった部分はどこでしょうか。
シーズンごとに変えていったんだ。トムは約2年間もエリザベスのことを欺き、人をコントロールしていたことも含めて、工作員としてとても有能だよね。最初は、その部分を示したかったし、その後は、彼の弱さや人間的な本質を少しずつ出すように心掛けたよ。
-唯一無二の魅力的なキャラクターを演じている、主演のジェームズ・スペイダーさんとの印象的なエピソードがあれば教えてください。
彼との会話はいつも楽しいんだ。とても思慮深くもあって、一度「真実の愛は存在するのか? 成立するのか?」なんて語り合ったね。
-それはとても興味深いですね。「真実の愛」はあるのでしょうか。
ジェームズは明言せず、ポエティックに話していたね。僕は、それについて新しい映画の脚本を書いているんだ。僕自身がまだ見いだせていないから、書きながら考えているよ(笑)。
-現在はミュージシャン、脚本家、監督としても活動されていますが、本作がきっかけでブレークしたという実感はありますか。
う~ん、どの仕事でもブレークしているんじゃないかな。だって、俳優として仕事をもらえること自体が素晴らしいことでしょ。でも、「ブラックリスト」は僕の代表作になったし、いろんな人に声を掛けてもらえるようになって、とてもうれしいよ。
-そんなライアンの活躍をもっと見続けたいのですが、シーズン6への継続も期待していいですか。
僕がそれを決めることはできないよ…。でも、終わってしまう理由がないよね。続くんじゃないかな(笑)。
(取材・文・写真/錦怜那)
「ブラックリスト シーズン5」
海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVで1月30日(火)午後10時からスタート
[二]毎週火曜 午後10時~ほか
[字]毎週火曜 深夜0時~ ほか
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