「夫とは熟年離婚しましたが、今も普通に連絡を取り合っています。
離婚の原因はお互いに自由に生きたいと思ったからで、愛情はなかったけれど子どもがいたので、チームのような感じで家では過ごしていました。
息子は高校を卒業と同時に市内で就職が決まり、家を出たいと言い出したのをきっかけに、私たちも離婚について話し合いました。
息子は『どちらにも会えるなら止めない』と言ってくれて、お互いに子どもと会うのを邪魔しないこと、財産は折半することなどを決めて、夫が家を出る形で離婚しました。
ひとりになってからは、ずっと続けていたスーパーでのアルバイトで収入を得ながら何とか暮らしています。
問題なのは毎年の固定資産税で、夫が『払えないだろうから』と負担してくれて、ありがたいと思うし、そういうのもあって音信不通にはなりません。
一度、ひとり暮らしの夫から『風邪をひいて動けない』と連絡が来て、看病しに行ったこともあります。
愛情はないですが、一緒に子育てをしてきた仲間のような感覚は今もあって、離婚したけれど付かず離れずの距離感で過ごせるのは幸せかもしれません。
正直に言えば生活は楽では決してないけれど、自分で選んだことだし、夫や息子との関係もうまくやっていきたいと思っています」(女性/48歳/小売業)
離婚した後も元配偶者との接触を楽しめるのは、離婚が憎み合ってのものではない証拠といえます。
一緒には暮らせないけれどお互いを尊重する気持ちはあるので、こんなお付き合いができるのですね。
子どもにとっては親に会いやすい状態であり、こんな形であっても家族の縁を大事にできることを、これからも大切にしていきたいですね。