子どもの頃、夏休みの宿題で自由研究に苦労した人は多いはず。でも、大人になってみると、ひとつのテーマをトコトン調べるのは楽しかったりしますよね。この夏は自分でテーマを決めて、ちょっと勉強してみませんか? 

そんな「大人の自由研究」にぴったりの展覧会、特別展『花開く 江戸の園芸』が江戸東京博物館で開催中です!
 

吉田沙保里選手、加藤清史郎くんも絶賛!

特別展『花開く 江戸の園芸』は、天下泰平の江戸時代に花開いた、江戸のガーデニング文化を紹介する展覧会。花や緑に親しむ人々が描かれた浮世絵や屏風、現代と変わらない技術が満載の園芸書、丹精を込めて育てた自慢のひと鉢が描かれた刷物などを通じて、江戸時代の園芸文化を知ることができます。

特別展の開催に先駆けて、7月29日に開催されたプレス内覧会では、レスリングの吉田沙保里選手と、人気子役の加藤清史郎くんがスペシャルゲストとして登場。

浴衣姿で展示を観覧したふたりは、「遊びながら勉強ができて、本当に楽しかった。自由研究の内容をまだ決めてない友達にすすめたいです」(清史郎くん)、「園芸の楽しさ、江戸文化の魅力を感じられる展覧会。勉強になるし、びっくりすることも多かったです」(吉田選手)と感想を語り、特別展を楽しんだ様子。

そんなふたりが絶賛する特別展のみどころをご紹介しましょう。

 

幻の朝顔「変化朝顔」とは……?

歌川国貞(三代豊国)画 「隅田川東岸花見図」 文化~天保年間(1840~43頃) 江戸東京博物館蔵
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今年3月に開館20周年を迎え、これまで江戸と東京の歴史・文化を網羅的に紹介してきた江戸東京博物館ですが、江戸の園芸文化を取り上げるのは今回が初めてだそう。

全6章で構成される展示では、江戸の人々が草花に親しむ姿や、園芸の楽しみ方の変化などを、多面的に知ることができます。

たとえば、1章「花と緑の行楽文化」で紹介されるのは、春の花見や秋の紅葉狩りなど、四季折々の変化を敏感に感じ取り、たくみに年中行事へ取り込んできた江戸の人々の姿。ただ自然を楽しむだけでなく、隅田川沿いに桜を植樹して桜の名所を生み出したり、民間庭園をつくったりと、草花を愛でることに貪欲な江戸の人々に驚かされるはず。

ちなみに、現在は遊園地として親しまれている「浅草花やしき」は、もともと江戸時代に植物園「花屋敷」として開園したのが始まり。浮世絵に描かれた当時の花屋敷と、現在の花やしきを比べながら、時代の流れに思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

萬花園主人撰・服部雪斎画 「朝顔三十六花撰」 嘉永7年(1854) 雑花園文庫蔵
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また、内覧会で吉田選手と清史郎くんが「育ててみたい」と語ったのが、4章「江戸園芸三花-朝顔・花菖蒲・菊-」で紹介されている「変化朝顔」。

江戸時代にブームになった品種で、八重咲きや糸状の花びらなど、朝顔とは思えない、珍しい形状のさまざまな花が咲くのが特徴だそう。現在ではなかなか見ることができない変化朝顔の姿を、刷物や図譜で見ることができます。

このほかにも、葛飾北斎や歌川国貞など江戸を代表する絵師の作品や、庶民が園芸を楽しむために読んだ園芸書など、江戸の園芸文化を知ることができる展示が盛りだくさんです。