盟友ハワード・アッシュマンとの制作と別れ
『美女と野獣』の公開前に亡くなったハワード・アッシュマン。
アラン・メンケンが「カセットって知ってる?」とおどけながら流した「1時間探して見つけたカセット」には、ピアノの前で寄り添って曲をつくるハワード・アッシュマンとアラン・メンケンの映像が記録されていました。
指をほぐしながら映像を見ていたアラン・メンケンは、せつなさや懐かしさが練りこまれたような表情でうつむき、ほほえんだ後、過去の演奏にあわせてそっと鍵盤にふれた指。
映像と重なり聞こえるか聞こえないかわからないその優しい音に導かれて、観客はさらにアラン・メンケンの世界へとひきこまれていきました。
動けない幕間
幕間の休憩時間、多くのファンが客席に座ったままでした。
その様子は一種の放心状態といってもよいでしょう。
全身が音楽に包まれている感覚、否、巨匠アラン・メンケンのコンサートに訪れたゲストは「音楽だけではない何か」を感じ取っていたのだと思います。
メンケンの圧倒的な共感力
今回のコンサートを通じて、アラン・メンケンの人生は音楽で、その音楽は分かち合うことでつくられ、受け入れられてきたと感じました。
「諦めずに続けていくこと」「隣人を愛すること」、コンサート中に語られたエピソードから力強いメッセージも受け取りました。
ですが、アラン・メンケンが発信していたものは言葉や音楽だけではありません。
三方を観客に囲まれたステージで、より多くの観客を楽しませようとあちこちを向いてお話をしたアラン・メンケン。
コンサート終了後は、「D23 EXPO JAPAN」オープニングセレモニー(朝)で演奏した際には開いていたグランドピアノの屋根が、ソロコンサート(夜)では閉じられており、アラン・メンケンの顔が見えやすくなってたとSNSで話題に。
観客の反応を見ながら柔軟にコンサートをつくっていく姿勢が随所に見られ、相手を思いやる共感力の高さがディズニー・レジェンド「アラン・メンケン」の持つ魅力なのでしょう。
現在は実写映画『アラジン』や実写映画『リトル・マーメイド』の開発にたずさわっているとのコメントもあり、今後もディズニー映画・音楽から目が離せませんね。