写真:オフィシャル写真
国立科学博物館(東京・上野公園)にて、様々な“毒”について紹介する特別展「毒」が開催されている。同展のオフィシャルサポーターを務め、「QuizKnock」として毒にまつわるクイズを提供している伊沢拓司に本展の魅力について話を聞いた。
今回の展示の魅力として、伊沢が強調するのがその「重厚さ」である。「ただ『怖い!』で終わるのではなく、毒と人類の歴史、それを防ぐ方法や共存の仕方など、毒にまつわるあらゆる観点から展示を作っている」と語る。
特に衝撃を受けたというのが「ブルーノイシアタマガエル」という南米産の毒ガエル。「頭部骨格の3Dモデルがこの特別展のために作られているんですけど、頭の突起で頭突きをして、相手に毒を注入するという、およそカエルとは思えない戦略を採っていて、それがわかりやすく展示されているんです」と興奮気味に語る。
なぜ人間は「毒」という存在に惹かれるのか? そんな問いに伊沢は「怖いからこそ『知っておきたい』という防衛本能が働くのかな? 危険なものに知識としても惹かれ、好奇心が沸き立つのかもしれない」と語る。
歴史の転換に毒が関わっていたことも数多く、ミステリーや映画などの題材にもなっている。「ソクラテスが自ら毒杯を仰ぐ――死という運命を受け入れるって、毒を通して哲学的に『死とは? 生とは?』というテーマを哲学者であるソクラテスに突き付けていて面白いですよね。人類普遍のテーマであり、重厚な主題で、だからこそ創作のテーマにもなっているんだなと思います」。
我が子にサイエンスに興味を持ってほしい! と考える親も多いが、子どもの頃から国立科学博物館(科博)に親しんできたという伊沢は自身の経験も踏まえこう語る。「僕の科博の一番古い記憶は『エスカレーターの中ってこうなってるんだ!』と思ったこと。科博のエスカレーターは透明になっていて構造が見えるんです。それは、親が見てほしかったところじゃなかったと思います(笑)。うちの親は『子どもが標本に興味示している。じゃあ図鑑を買おう』という感じではなかったですし、役に立つルートを親が作ろうと思わなくていいと思います。それこそ10年後とかに時限爆弾のように『あの時の体験が…!』という感じで効いてきたり、そういう気長さが結果的に僕を助けてくれたと思います。無理して親が面白いポイントを伝えなくても、子どもは勝手に学びとると思っています」。
特別展「毒」は2023年2月19日まで開催。
文章:くろずなおき
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