東京都交通局では、誰もが安心して都営地下鉄を利用できる環境づくりを進めていくため、受験シーズンとなる1月11日~3月10日まで、新たな「痴漢撲滅キャンペーン」を実施する。駅や車内に掲出する痴漢対策ポスターは、東京都立大学の学生の意見を取り入れて作成した。
目撃したら「車内非常通報器」「スマホアプリ」「声かけ」の三つの対処
1月11日から実施する「痴漢撲滅キャンペーン」の内容は、(1)車内や駅における警戒の強化、(2)車内や駅構内での放送による呼びかけ、(3)TwitterなどSNSでの情報発信、(4)新たな痴漢対策ポスターの掲出、(5)ホームページで「都営交通の痴漢対策の取組」や「痴漢を目撃したときの3つの行動」を掲載、(6)痴漢対策動画を新たに作成し、駅改札や車内の液晶モニターで放映――の六つ。
新たな痴漢対策ポスターは、都営地下鉄101駅及び日暮里・舎人ライナー全13駅の駅構内と、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの全170編成の車両内に掲出する。
今回のポスターの作成には、東京都立大学の学生の意見を取り入れた。
学生からの意見では、(1)「痴漢行為は犯罪」ということは誰もが知ってはいても、万が一痴漢行為を目撃したとき、被害者を助けるためにどう行動すべきか、心構えのある人は少ないのでは、(2)あらかじめ具体的な対処方法を知っておく=「助けるための準備をしておく」ことで、いざというとき、勇気を出して見て見ぬふりをすることなく、被害者を助けることができるのでは、(3)このような意識を持った人が増えることで、痴漢行為を絶対に許さない社会づくりにもつながっていくのでは、といったものが挙がった。
こうした意見を反映し、ポスターのデザインでは痴漢行為を目撃した人が、スマートフォンで対処方法を検索している場面設定とし、次の三つの対処方法を簡潔な言葉とイラストで紹介。(1)車内非常通報器を「押して」助ける、(2)スマホアプリを「見せて」助ける、(3)「声かけ」で助ける――。
あわせてキャンペーン初日の午前8時から、都営大江戸線新宿西口駅構内で警視庁と合同で痴漢撲滅啓発イベントを開催する。