「このまま一緒にいても、老後はお前が苦労するだけだ」と言われたらその通りですよね。
子どもがいないことが離婚に踏み切りやすいのは皮肉だけど、バツ二を避けたい気持ちなどもうありませんでした。
日曜日、朝から外出しようとする夫をつかまえて「こんな生活は嫌だから、離婚してほしい」とはっきり言いました。
夫は予想通り猛反対で、「これまで我慢してきたのに、今頃俺を捨てるのか」とすごんできたため怖くなり、実家に逃げました。
その後は父が私の代わりに夫と話し合い、夫は「離婚するなら慰謝料をよこせ」と譲りませんでしたが、「調停を起こす」と言うと黙ったそうです。
前の奥さんからも離婚調停を申し立てられた話を聞いていたので、二度も経験するのはイヤだったのかもしれません。
「また離婚」と思うとやっぱり悲しいし、この年になって独身に戻るのも恥ずかしいと思いましたが、こんな夫と一緒に暮らすほうが自分にとって良くないのは確かで、最終的に財産分与なしで離婚が決まりました。
何年一緒に暮らしても、相手が異常だと離婚するしか自分が楽になる道はないのだなとつくづく思います」(44歳/小売業)
離婚を繰り返すのが嫌なのは当然ですが、だからといって配偶者のありえない振る舞いを受け入れるのは自分のためはなりません。
年をとるほど独身に戻ることに不安を覚える人は多く、不幸な結婚生活でも耐えるしかないと思い込みがちですが、そのせいで心身が削られていくのは本当につらいことです。
このケースでは両親が健在だったために手を差し伸べてくれましたが、誰かに頼ってでも今の状況から抜け出す勇気が、その後の人生を大きく変えるといえます。