HDDベア メーカー別販売数量シェア

内蔵SSDの普及により、HDDベアの市場規模は10年前と比較するとおよそ半分にまで縮小している。しかし、内蔵SSDよりも安価であることから、大容量のデータを保存するためHDDベアが利用される機会は多い。HDDベア市場を家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」でメーカー別販売数量シェアと容量帯の推移をグラフ化してみた。

HDDベア市場は2000年代にメーカーの統合が進み、10年代後半にWesternDigitalとSeagate、東芝の3社に集約された。直近3年間は、WesternDigitalとSeagateが首位争いを展開している。23年2月のメーカー別販売数量シェアでWesternDigitalが52.0%に達し、2017年8月以来、5年半ぶりに過半を占めた。原動力となったのは「WD Blueシリーズ」で、同シリーズの構成比はHDDベア市場の3割を占める。

容量帯販売数量構成比を算出してみると、20年は年間を通じて4-8TB未満がボリュームゾーンだった。21年後半から8TBの構成比が徐々に増え、22年6月以降は4-8TB未満の構成比を上回り始めた。8TBの構成比が4割に達する月も出現している。また、平均容量において、この3年間で4TBから6TBに達していることからも、大容量化は着実に進んでいることが明らかだ。21年4-5月にかけ、平均容量が一時的に6TB前後に達したのは、Seagateの8TB製品の販売数増が要因。これにより同社はメーカーシェアでも43%台に乗せた。

今後もHDDベアから内蔵SSDへの移行は進んでいくと考えられる。しかし、大容量のデータを保存するにはHDDの方が安価であるため、大容量データの保存需要を一定数取り込むことを考慮すると、市場縮小のスピードは緩やかになると考えられる。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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