京セラは5月15日の決算説明会で、個人向けスマートフォン(以下、スマホ)事業からの撤退を明らかにした。2023年3月に新規開発を、25年3月には供給・販売を終了し、事業を終息する。同社のAndroidスマホ市場における販売台数シェアは23年4月時点で3.9%に縮小していた。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で過去3年間のAndroidスマホ市場を分析した。

京セラのシェアは緩やかな減少傾向にあった。この3年のピークは10.4%。「BASIO4」や「かんたんスマホ」シリーズが好調だった20年9月だ。22年7月以降は5%前後で上下していたが、23年4月には3.9%と初めて4%を下回った。初心者層に強かった京セラだが、同様のターゲットを狙うFCNTや低価格を強みにするOPPO、Xiaomiなどの競合にシェアを奪われ、苦戦していた。

現在、Androidスマホ市場ではシャープ、Google、ソニーの3社による首位争いが繰り広げられている。特にGoogleは「Pixel 6a」と「Pixel 7」の好調でシェアが急上昇。22年10月から23年3月まで6か月連続で首位を維持した。しかし、4月に「Pixel 6a」が失速。シャープが17.0%を獲得し、7か月ぶりに首位を奪還した。Google失速の理由は、公正取引委員会の指摘による各キャリアの極端な廉価販売の自粛。これにより一部機種は急激に販売台数を落とした。

しかし、Googleは5月に新機種「Pixel 7a」を発売。週間ランキングではすでに首位と人気を呼んでいる。月間ランキングでもGoogleが再び首位に返り咲くのか注目だ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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