2023年春の花粉飛散量と症状は? ウェザーニュース調査

ウェザーニュースは6月28日、同社が分析した、2023年春の花粉の飛散と花粉症の症状のまとめを発表した。

飛散量は全国平均で前年比180%

ウェザーニュース独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した2023年春の花粉飛散量は、全国平均で昨年比180%、平年比186%となり、昨年、平年より多くなった。地域によって飛散量の偏りが大きいのが特徴で、西日本や東日本では昨年よりも大幅に飛散量が増加した一方、東北北部や北海道では飛散量が昨年を大きく下回った。

花粉の飛散量は、花粉の生成量と飛散時期の天候に左右される。花粉の生成量は主に前年夏の気温や日照時間、年ごとの花粉の増減傾向に影響を受ける。昨年の夏は、平均気温が全国的に平年を上回った。西日本では太平洋側を中心に日照時間が平年を上回り、雄花の生長に適した天候となった。

西日本では、昨年春の飛散量が比較的少なかったところが多く、その反動で今年の飛散量は大幅に多くなった。また、今年は飛散がピークを迎えた3月に晴れて記録的な暖かさになったことも、飛散量が増えた要因と考えられる。

2023年春の花粉飛散の特徴としては、2月から3月の暖かさの影響で飛散開始から本格飛散に至る期間が著しく短かったことを挙げている。飛散開始時期は、関東では平年よりやや遅くなった一方、西日本や北日本では概ね平年並み~平年よりやや早くなった。平年では、飛散が開始してから1~2週間程度で本格飛散に至るが、今年は飛散が開始してから1週間以内に本格飛散に至ったエリアが多くなった。

花粉症の症状のつらさはどうだったのか、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた症状報告(のべ12万8751通)を分析した。その結果、花粉症の症状がつらいと感じた人の割合は全回答数の23%となり、昨年よりも4ポイント増加した。地域別に見てみると、とく特に東北南部や近畿以西では昨年との違いが顕著で、これらの地域では花粉の飛散量も昨年に比べて大幅に多くなっている。

今年と昨年の症状報告の変化を比較してみると、今年は2月下旬から花粉症の症状がつらいと感じる人が増え、昨年よりも早い傾向となった。これは花粉の飛散が本格化したタイミングと重なる。

つらい割合がピークを迎えたのは2月28日頃からだった。昨年は3月12日頃だったことから、最もつらい時期が昨年より約12日も早く訪れている。一方、つらい割合が減少したのは今年も昨年も4月中旬からだった。今年は症状のピークが前倒しになった分、つらいと感じる期間が長くなったことがわかった。

なお、2024年春の花粉飛散傾向は10月頃に発表する予定。