今年結成30周年を迎え、海外でも高い評価を得ている和太鼓エンターテイメント集団「DRUM TAO」。電子楽器を用いたEDM(Electronic dance music)と和太鼓の融合に挑戦したシリーズ『CLUB TAO』が、新曲を含め『CLUB TAO2』として今年も上演されることになった。
「EDMと和太鼓の融合というのは新鮮ですし、単純に気分が上がりますよね」。DRUMTAOのメンバーである岸野央明は本シリーズについてそう話す。「EDMを聴き込んでいくと、テンポアップするタイミングがだいたい分かってくるんですが、それは普段僕らが太鼓の曲をつくるときに自然とやっている部分に近しいんです。意外な組み合わせに感じるんですが、相性はいいし、マッチしている気がします」。
もともと『CLUB TAO』を始めたきっかけは「今までアプローチしてこなかったタイプのお客さんにも裾野を広げたいと思ったから。また、自分たちの経験値をアップさせるために新しいことをしたいと思ったから」(岸野さん)だという。同じくメンバーの江良拓哉も「そもそも和太鼓の印象はトラディショナルだと思うんです。だから若い人たちにも馴染みやすいEDMとの融合によって、和太鼓の面白みやすごさを少しでも感じてもらえたら嬉しい」。
今年で結成30周年。ここまでDRUM TAOが続けてこられた理由について、岸野は「クリエイションし続けているからだと思います。いつも『できた』という感覚はなくて、毎回毎回ひたすらに高みを目指してきて。きついこともあるんですが、その繰り返しが病みつきになるし、楽しい」。DRUM TAOとしては「世界の主要都市で専用劇場を作り、世界中でDRUM TAO作品が上演され続けていくこと」を目標に掲げているといい、ここから更なる躍進が期待される。
観客へのメッセージとして岸野は「和太鼓の魅力はもちろんありつつも、EDMと融合したことで生まれる新しい魅力もあると思います。一度でも観てもらえたら、いいなと思ってもらえる自信があります。食わず嫌いせずに観にきてほしいです」と話す。そして、江良は「和太鼓の新しさや可能性を感じてもらえると思います。エンターテイメントを観にくるような感覚でぜひお越しください!」と呼び掛けた。
公演は2023年9月22日(金)〜10月9日(月)、新宿LUMINE 0。
取材・文:五月女菜穂