【7月5日オープン】「人類みなトンカツ」が提供する、ブランド豚を使った1000円台のトンカツ定食。

ブランド豚のトンカツ定食が3000円超え、という店も当たり前になった昨今。餌や環境にこだわった安全・安心な豚など、クオリティに応じた価格設定なのは分かるのだが、毎日のランチで気軽に食べるのは難しい。そんなご時世、ブランド豚と同等の豚肉を使い、なのに1000円台で定食を提供するトンカツ店が大阪・西中島南方に降臨した。なんと、手掛けたのはあの『UNCHI株式会社』。『人類みな麺類』『くそオヤジ最後のひとふり』など行列ラーメン店を展開するイケイケ企業だ。

『じんめん』と『炭火焼きとんかつ大蔵』がコラボ

店名は『人類みなトンカツ』。実は、『人類みな麺類』と『炭火焼きとんかつ大蔵』(大阪・玉造)のコラボ店で、『UNCHI株式会社』の松村貴大社長が、『大蔵』のトンカツに惚れ込んで「一緒に店を出そう!」という話になったらしい。

あれよあれよという間に企画が進んで、発案から1カ月ぐらいでオープンしたという噂…。

『大蔵』はもともと『ニューバーボン』という店名だったが、2022年にリニューアル。バーボンをぶっかけて豚肉を熟成させるという斬新な仕込み方法から、「豚肉を上げた後に炭火焼きする」というさらに奇想天外な手法に切り替えた。

そうして今回の『人類みなトンカツ』では、豚肉をなんと''乳酸菌発酵''させるという新手のテクに行き着いた。米のとぎ汁に砂糖、塩を入れた発酵液に漬け込むことで、肉が柔らかくなり、旨み成分を閉じ込められるという。

豚肉は、ブランド豚の中でも比較的供給量が多く手に入りやすい「茶美豚」を使用。乳酸菌発酵させることで、より一層の脂の甘さ、しっとり感になるのだとか。

この鹿児島県産・薩摩茶美豚を使った上ロース定食が1200円。上ヒレ&上ロース食べ比べセットでも1300円(取材時)。ソースカツ丼なら950円だ。1000円を切ってしまうではないか。

上ヒレ&ロース食べ比べセットを実食してみた。50℃の湯でさっと湯通ししたキャベツは柔らかくシャキシャキ、赤出汁の味噌汁からしてもう旨い。肝心のトンカツは、揚げた後に網焼きで余計な油を落とすため衣もカリッ、中はしっとり。ロースでもサクッと歯が入り、豚肉本来の甘やかな旨みが口に広がる。上ヒレはロゼピンクで(低温揚げだが中まで火は通っている)噛んだ瞬間に肉汁がじわ~っと滴るほどのジューシーっぷり。

あんまり褒めると回し者みたいなのでこのへんにしておこう。

後日談。写真の食べ比べセットは上ヒレ50g上ロース60gだが、「少ない」という声があったため、上ヒレ60g上ロース120gに大増量して1650円に改定したらしい。それでも安っ! また行きたい!

ちなみに、食雑誌「あまから手帖」では『炭火焼きとんかつ大蔵』もしっかり紹介している。こちらはこちらで、生産量の少ないブランド豚を独自の「揚げ&炭火焼き」の調理法で提供し、花椒やバターで味わうというエンタメ性たっぷりの店。トンカツにはまった店主・大蔵さんの(良い意味で)変態っぷりが遺憾なく発揮されているので、ぜひ訪れて欲しい。

『人類みなトンカツ』

住所/大阪府大阪市淀川区西中島3-17-5リバーボール1号館 1階

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。

あまから手帖Online=https://www.amakaratecho.jp/