(左から)福原充則氏、今野浩喜、林遣都、山本耕史、松下優也(C)エンタメOVO

 音楽劇「浅草キッド」製作発表が31日、東京都内で行われ、出演者の林遣都、山本耕史、松下優也、今野浩喜、脚本・演出を担当する福原充則氏が登場した。

 本作は、ビートたけしの自伝小説『浅草キッド』を原作に、青年・北野武が師匠・深見千三郎と出会い、浅草・フランス座で下積み生活を過ごした青春時代と、苦楽を共にした芸人たちとの生きざまを描く。

 主人公の北野武役を演じる林は、「まさかたけしさんの役が自分に来るとは思っていなかったので、驚きました。僕が小学校の頃にテレビで見ていたたけしさんは、着ぐるみを着てハチャメチャなことをやられている印象で、こんなにも全国民の方が認知している方をやる機会もないので、プレッシャーは大きいですね」と語った。

 「役が決まってから、たけしさんと話をした?」と聞かれると、「実は番組にお邪魔して、お会いしたんですけれど、『浅草キッド』をやりますというお話をする勇気は出ず、黙って遠くから観察していましたね」と告白。

 「今度会ったら、どんな話をしたい?」と振られると、「まだ会いたくないです…。5年後、10年後ぐらいに実はやっていましたぐらいで(いい)。(舞台を)見に来ていただけたら、そんなにうれしいことはないですけれど、どう思われるか分からないので、福原さんの後ろに隠れていたいなと思います」と消極的な発言で、笑いを誘った。

 武の師匠・深見千三郎を演じる山本は、「この間、本読みをさせていただいたら、思った数倍良くて、びっくりしました。ドラマや映画で(『浅草キッド』が)再現されていますけれど、またそれとは違う、生き生きとした映像を感じられるような気がします」と手応えを感じたことを告白。

 初共演となる林の印象については、「もちろん活躍は見ていて、いい俳優さんだなと思っているし、本読みやたたずまいを見て、たけしさんが背負っているものが浮遊している感じがあって。たけしさんと風貌は違いますけれど、本当にたけしさんの若い頃に感じちゃう」と絶賛。

 対する林は、山本の印象について、「耕史さん自身ががカッコ良くて面白くて、男が憧れるような男性像で。いざ本読みが始まって、師匠が隣でコントや浅草のシーンをやられている姿を見て、すごく感情が入りました。武役として居場所を見つけたような感覚になり、涙が出て来ました」と明かしていた。

 舞台は、10月8日から22日 東京・明治座ほかで上演。