10月1日、FCNT合同会社(FCNT)が事業の開始を発表した。同社は中国・Lenovo Group Limited(レノボ)の出資で設立。5月に経営破綻した、スマートフォン(スマホ)などを手掛けるFCNT株式会社(旧FCNT)の事業を承継し、「arrows」ブランドなどを展開していく。

2023年1月から3月、Androidスマホ市場での旧FCNTのシェアは10%前後。SAMSUNGやOPPOと4位、5位を争っていた。4月には新生活需要を取り込み、13.1%のシェアを獲得。一定の存在感を示していた。しかし、経営破綻で状況が一変。3大キャリアは同社端末の取り扱いを継続したものの、シェアは急減。9月には2.7%まで落ち込んだ。

旧FCNTから引き続き社長を務めるFCNT合同会社の田中典尚 代表取締役社長はプレスリリースで「レノボが持つ世界規模の調達力と開発力から得られる利点を活用し、当社の技術力や市場の専門知識をいかしながら、高品質で信頼性の高いプロダクトやサービスをお客さまに提供」するとしている。さらに、スマホのarrowsシリーズやらくらくシリーズを継続するとともに、らくらくコミュニティ等のサービスについても維持。修理やOSアップデート等のサポートについても順次再開すると発表した。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」では、破綻直前まで一定の存在感を示していただけに、FCNTが新体制でどこまでシェアを挽回できるのかに注目したい。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。