剛力彩芽、水嶋ヒロ

完璧な執事にして悪魔のセバスチャンと、その主で復讐を胸に秘めた男装の令嬢・清玄(きよはる)が、怪奇事件の謎に迫る。世界中で大人気のコミックの実写化『黒執事』公開に向け、それぞれの役に扮した水嶋ヒロと剛力彩芽に話を聞いた。

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本作でおよそ3年ぶりの俳優復帰を果たす水嶋は、本名名義で共同プロデューサーとしても名を連ねる。「出演者としてだけだったら、おそらくこの作品に参加していなかったと思います」と静かに話す水嶋。当初、出演オファーを断っていたが、スタッフ側としての関わりに興味を示していったという。

「ストーリーも企画も練っていくということは、結果、自分が出たいものを作っているのと同じだったんです。その工程でプロデューサーの松橋さんと築いた絆があったからこそ、あの難しいセバスチャン役をやる勇気が芽生えていきました。実際にセバスチャンを演じるにあたっては、悪魔なので、原作でも感じられる絶妙な違和感を含めて表現できたらと思っていました」。

一方、原作では少年にあたる役を演じた剛力。「原作を読みながら、どの役をやるんだろうと思っていたら、主人役がオリジナルキャラクターになると聞いて。それを私が演じるんだ。どんな反応をされるだろうって、ちょっと怖くもありました。でも難しい役だからこそ、いいものにしたいという気持ちを強くしました」。

また「撮影が終わったとき、『本当に清玄が剛力さんでよかった』って伝えたんです」と水嶋が明かすと、剛力がすばやく反応。「そうなんです!その言葉を聞いて、私、号泣してしまって。でも私が清玄としていられたのは、水嶋さんがセバスチャンだったから。水嶋さんも、セバスチャンも、何をぶつけてもすべてを受け止めてくれると感じられたんです」と振り返った。

まるで洋画のような世界観、水嶋の踊るように華麗なアクション、復讐のため悪魔と取引をした清玄の生き様。人気作の映画化ということで何かと話題の多い『黒執事』だが、ふたりからは作品への愛がきっちりと伝わってきた。

『黒執事』
1月18日(土)公開

取材・:望月ふみ
写真:星野洋介