「義実家は長く農家を営んでおり、僕より年上の長男が跡を継ぐことは決まっていると聞いていました。
僕は普通のサラリーマンで農家になるつもりはなく、義実家の家業について手伝いはしてもそれくらいしか関わらないことは、結婚前に妻にも義両親にもはっきり言っていました。
それでいいとなって入籍したのですが、数年後から休日になると畑の手伝いに駆り出されるようになり、断ると『怠けるな』と言われることにはずっと抵抗を感じていましたね。
妻は親を気遣ってか僕に『もう少し行ってくれない?』と言うし、でも僕だって自分の仕事が忙しくて休みの日くらいゆっくりしたいのに、妻は実家に行く時間が多くて夜もなかなか帰ってこず、結婚生活って何なのだろうと考えるときが増えました。
それでも何とか子どもができて、妻と子といる時間が増えてよかったと思っていたのですが、ある日義父から言われたのは『会社を辞めて我が家の仕事に専念してほしい』でした。
跡を継ぐはずの長男が思うように仕事を覚えない、という話は妻から聞いていましたが、だからといって長女の夫である僕にそれを求められても困るし、それはできませんとはっきり断りました。
農家になるつもりはないと入籍前に確認したことを妻に話すと、『そのときはそうだったけど今は状況が違うでしょう』と両親と同じく会社を辞めるよう言ってくるので、本当につらかったですね。
離婚を決めたのは妻が『会社を辞めるまでは帰らない』と言って子どもと一緒に実家に戻ったからで、そこまでされると一気に愛情が冷めました。
子どもがかわいいし離れたくなかったけれど、自分の人生を義実家のために犠牲にすることはできなかったです」(42歳/人事)
こちらのケースでは、「元妻は義両親が僕を説得するよう言われていたのだろう」と夫は話していました。
家業を継いでほしい気持ちはわかりますが、従わないからといって子を連れて家を出る妻のやり方には疑問を覚えます。
配偶者であっても人生は自分のものであり、尊重しない義実家とはうまくいかないのは当然といえます。