東京都が運営する「AIマッチングシステム」のホームページ

東京都は12月7日、AIが価値観診断テストをもとに相性の良い相手を紹介してくれる「AIマッチングシステム」の提供を開始した。東京都が婚活を後押しする。一般向けの本格稼働は2024年度からで、まずは23年度に開催した「TOKYOふたりSTORY交流イベント」の参加者を対象に一足先に利用してもらい、アンケートで意見を集約して機能面などを改善し、より満足度の高いサービスにアップデートしていく予定。ブラウザー版から提供し、アプリ版の公開も準備中だ。

「結婚を希望する18歳以上の独身」が対象

東京都が運営する「AIマッチングシステム」は、「価値観診断テスト」で自分の価値観と相手に求める価値観を診断。それをもとに、AIが相性の良い相手を紹介する。会員登録には独身証明書や本人確認書類などの提出が必須となる。

入会条件は、(1)結婚を希望する18歳以上の独身の人、(2)東京都内に在住・在勤・在学の人、(3)インターネット接続可能なスマートフォンやPCを所有し、自力で操作できる人、(4)先行利用に必要な団体コード(交流イベント参加者に発行)を持ち、アンケートに協力できる人――の四つ。

登録に必要なものは、(1)写真付き本人確認書類(パスポート、運転免許証、マイナンバーカードなど)、(2)独身証明書(本籍のある区市町村で取得可能。郵送請求も可能)、(3)年収を確認できる書類(源泉徴収票など)、(4)プロフィール掲載用写真、(5)誓約書(システム内でダウンロードできる)――の五つとなる。

連絡先を交換しなくても、システム上で待ち合わせ時間や場所を調整できる

交際までの流れは、まず登録フォームから入会申し込みをすると、事務局から会員番号が送られてくる。会員マイページから入会面談を予約し、オンラインで面談を実施する。

面談後は、会員マイページから「プロフィール/自己PR/希望条件の入力」や「必要書類のアップロード」、「EQアセスメント(価値観診断テスト)の受検(任意)」をする。

その後、AIが相性や価値観のあった相手を紹介する。希望条件で相手を検索することも可能だ。マッチングが成立すれば、相手と実際に会うことができる。連絡先の交換やメッセージのやり取りをしなくてもシステム上で待ち合わせ時間や場所を調整できる。もちろん、オンラインでの見合いも可能だ。

双方でいいなと思ったら「交際(お友だち期間)」がスタート。連絡先の交換やシステム上でのメッセージでやり取りできる。この時点で、他の相手との紹介や見合い、交際もできる。

二人が希望すれば1対1の真剣な交際に発展する。ここで、他の相手紹介や見合いの予定はすべてストップとなり、交際がうまくいけば成婚となる。

民間企業のアンケート調査によると4人に1人が「マッチングアプリ」で結婚する時代だが、一方で「アプリの利用が不安」「どうやって婚活をしたらいいかわからない」などの理由で活動をしていない人もいる。東京都が「AIマッチングアプリ」を運用することで、そうした人たちの不安や悩みを解消し、婚活を後押ししていくという。(BCN・細田 立圭志)