11月の家電量販店ではエアコンの販売が好調だった

月次売上高(速報ベース)を発表している家電量販店の11月売上高が出揃った。前月の10月はビックカメラを除いて前年同月比(以下、前同比)92~96%台と前年割れだったが、11月はコジマを除いて全社とも前同比プラスとなり、特に上新電機は同120%に迫る高い数値を記録した。

阪神タイガース日本一で上新電機の11月売上高は前同比118.9%

2023~2024年の冬は暖冬との予想が出ている。例年、10月からスタートする暖房商戦が2023年は残暑が長く続き、諸物価上昇もあって出遅れ感がある。昨年の11月はビックカメラを除いて各社とも前同比は前年割れで、前同比としてのハードルは特に高くはなかった。

それもあってか、23年11月は各社とも好調に推移。ヤマダホールディングスとエディオン、ケーズホールディングス(以下、ケーズデンキ)の売上高は前同比102~104%台と前年実績を上回った。

ビックカメラは同109.3%で、同社の単月売上高は22年11月から13カ月連続で前同比プラスとなっている。同社は8月決算で9~11月が1Qとなり、1Q累計売上高は前年同期比106.8%だった。

各社の中で前同比が最も高かったのは上新電機。前同比は118.9%で、他社を大きく上回った。同社は9月の売上高も同121.0%と突出した伸長率を記録したが、この9月と11月の伸長は、公式スポンサーを務めている阪神タイガースのリーグ優勝と日本一、つまり23年の流行語大賞で年間大賞に選出されたアレを記念したセールによるところが大きい。

このように各社の11月売上が好調だった中で、コジマの11月売上高は前同比98.1%。単月での前年割れは3カ月連続しており、厳しい状況が続いている。ビックカメラと同じ決算期のコジマの1Q累計売上高は前年同期比94.2%である。

11月のエアコン売上高は全社とも前年実績2桁増

各社の商品別売上高で、共通して数値を発表している商品の11月の状況はどうだったか。長期にわたって単月での売上高が前年割れで推移しているテレビは、エディオンが前同比92.3%、コジマが同92.9%で前年割れだった。

しかし、ケーズデンキは前同比100.0%と前年実績をキープ。上新電機は同151.6%と前年実績の1.5倍以上の実績となった。

上新電機は9月にも同151.1%を記録している。この上新電機の実績を見ると、テレビの需要低迷はテレビ離れによるものと短絡的に結論づけるのはいかがなものかと思える。セールによって売上が伸長したのであれば、需要低迷は価格的な要素が大きく、テレビそのものに対する根本的なニーズが低下したわけではないといえそうだ。

エアコンは各社とも前年実績をクリアし、しかも前同比2桁増という結果となった。11月下旬から気温が低下したことが伸長の要因と目されるが、22年11月の実績が前同比86~96%と前年割れでハードルが低かったこともまた伸長要因の一つといえるだろう。

エアコンの売上高が最も伸長したのは上新電機で、前同比161.3%。これに次ぐのがエディオンで同119.3%。ケーズデンキもエディオンとほぼ同率の同119.0%だった。コジマは各社ほどの伸長率ではなかったものの、同118.0%と高い伸びを示した。

パソコンは上新電機を除いて前月に続き前同比70%台

冷蔵庫はケーズデンキが前同比96.0%と前年割れだったが、その他の各社は前年プラス。上新電機は同157.5%で、エディオンは同109.2%、コジマも同104.7%だった。

4月からの累計を公表しているのはエディオンとケーズデンキだけで、エディオンの累計は前年同期比99.2%、ケーズデンキは同94.2%と前年実績を下回って推移している。冷蔵庫の特性を考えると今現在は売りやすい時期ではないが、年末商戦にどれだけの実績がつくれるかが重要だ。

パソコンはエディオン、ケーズデンキ、コジマがいずれも10月と同様に前同比70%台だった中、上新電機は同105.2%と伸長した。

洗濯機はケーズデンキが前同比99.3%と前年実績に届かなかったが、エディオンは同105.3%でコジマも同100.6%。上新電機は洗濯機とクリーナーの合算だが、同141.9%だった。

携帯電話の売上高を公表しているのは上新電機とコジマだけだが、上新電機は前同比129.2%、コジマも同123.2%。前同比の公表はしていないが、ビックカメラも売上高は好調だったという。

22年の12月の前同比はエディオンが102.8%で、ビックカメラが101.6%、ケーズデンキと上新電機は100%台、コジマは99%台。前年対比のハードルとしては一概に高いとはいえないものの、前年よりも物価はもちろん商品売価も上昇し、販売環境としては前年より厳しくなっている。

店舗やECサイトにいかに多くのお客を呼び、売価に見合う価値を訴求して成約に結びつけられるか、販売サイドの販促施策が問われるところだ。

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