テレビ朝日系で放送中の人気特撮ドラマ「仮面ライダーガッチャード」初の映画『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』が、12月22日から全国公開となる。本作では、「仮面ライダーギーツ」との夢の共演が実現。主人公・一ノ瀬宝太郎=仮面ライダーガッチャードを演じるのは、18歳で大役を勝ち取った期待の新星・本島純政。劇場版に懸ける意気込みや撮影の舞台裏、見どころなどを聞いた。
-「仮面ライダーガッチャード」の放送開始から3カ月ほどたちましたが、ここまで振り返ってみて感想はいかがですか。
宝太郎が徐々に成長していくのがすごく楽しいです。第1話では、宝太郎は明るく元気いっぱいなごく普通の高校生という感じでした。でも、「101体のケミー(錬金術によって生み出された人工生命体)と仲間になる」という自分の夢=“ガッチャ”を見つけてからは、いくつもの壁にぶつかりながらも、諦めずにもがき続け、次第に成長してきています。その様子に僕自身も手応えを感じています。現場でも、共演者のみんなと打ち解けてきて、お芝居について「ここはもっとこうしてみようか」と、お互いに高め合える関係にもなってきたので、すごくいい雰囲気で進んでいます。
-宝太郎を演じる上でも変化が出てきたと?
落とし込めてきている手応えは日に日に感じています。最初の頃は、宝太郎のテンションに合わせようと、撮影前にジムに通ってアドレナリンを出したりしていたんですが、宝太郎のテンション感がつかめてきてからは、緩急を意識するようになって。ただ同時に、僕自身が宝太郎の影響を受け、日常の中でうれしいときや何か失敗した時、つい口癖の「ガッチャ!」が出てしまうのが、うれしい悩みです(笑)。
-そして迎えた今回の劇場版では、「仮面ライダーギーツ」の皆さんとの共演が実現しました。
僕は「仮面ライダーガッチャード」のオーディションを受ける以前から「仮面ライダーギーツ」を見ていたので、ギーツチームとの共演はすごくうれしかったです。ですがやはり皆さん、1年間ライダーをやってきた先輩ですから、とても貫禄があり、最初はだいぶ緊張しました。でも、ギーツチームの皆さんが親しく話し掛けてくださったおかげで、すぐになじむことができました。「仮面ライダーギーツ」は、放送が終わった今も多くのファンがいるので、「僕も1年後、そうなれるように頑張ろう!」と励みにもなりました。
-仮面ライダーギーツ=浮世英寿役の簡秀吉さんと共演した感想は?
ものすごく風格があるなぁ…と。だから僕自身も、この映画の大きな見どころになるギーツとガッチャードの同時変身は、絶対にいいシーンにしようと気合を入れて臨みました。ただ、2人の変身ポーズが違うので、「変身!」の掛け声を合わせるのにかなり苦労して。簡さんが「ここは、もっとゆっくりやってみようか」といった感じでリードしながら、一緒に練習してくださいました。そんなふうに2人で力を合わせて撮ったシーンなのでとてもかっこいいシーンになったと思います。簡さんからは、「1日1日を大切に」というアドバイスもいただき、今まで以上に日々の撮影を大切にするようになりました。
-映画では、「仮面ライダーギーツ」に登場した仮面ライダータイクーン=桜井景和と宝太郎が2人で行動する場面もありますが、演じる佐藤瑠雅さんとの共演はいかがでしたか。
アフレコの時、佐藤さんが、すごく面白いアドリブをされていて笑いが止まりませんでした(笑)。景和は比較的、宝太郎にキャラクターが近いので、そんなふうに人を笑顔にするお芝居は、僕もお手本にしたいなと思いました。
-本島さんが考える映画の見どころは?
この映画には、テレビシリーズではレアな存在であるレベルナンバー10のケミーがたくさん登場しますし、映画限定フォーム「仮面ライダースターガッチャード」も登場、もちろん、おなじみの宝太郎のユニークな創作料理もスペシャル版が登場します。他にもサプライズな展開も含めて見どころ満載ですが、その中でも僕が注目してほしいのは、宝太郎の成長です。お母さんとけんかをして家を飛び出した宝太郎が、いろんなことを経験した末のラストのシーンは、僕自身も気合が入ったシーンになりました。ぜひご家族でご覧いただけたられしいです。
-宝太郎の母・珠美を演じているのは、南野陽子さんですね。
南野さんは、僕がどんなお芝居をしても、いつもナチュラルに受け止めてくださるので、すごく安心感があります。今回の映画でも、今言った宝太郎の成長を表現する場面を撮影するのがすごく大変だったんです。でも、南野さんが本当の母親のような温かな雰囲気で包み込み、演技をリードしてくださったおかげで、とてもすてきなシーンになったと思います。
-ではもう一つ「誰も気付いていないけど、実はここも見どころ!」という必見シーンを教えてください。
途中、宝太郎の理想の世界をクロスウィザードが実現するシーンがあるんですけど、そこに登場する(宝太郎の仲間の)黒鋼スパナ(藤林泰也)、銀杏蓮華(安倍乙)、鶴原錆丸(富園力也)が、普段とは全く違うキャラになっているんです。演じる3人も、お芝居にかなり力を入れていて、アドリブ満載の面白いシーンになっているので、ぜひ注目してください。
-映画も「仮面ライダーガッチャード」の今後の展開も楽しみですね。それでは最後に、宝太郎と共にご自身が俳優として成長していく上で、普段から心掛けていることがあれば教えてください。
演技の勉強や感性を磨くため、今の事務所に入ってから、毎日1本、映画を見るようにしました。僕はもともと映画好きで、映画はたくさん見ていたんですけど、俳優としてはいろんな感性を持ち、フラットな状態でいられるようにしたいので、自分の好きな作品だけに偏らないように、ホラーから学園ものまで、ジャンルにこだわらず幅広く見るように心掛けました。その感想についてマネジャーさんとディスカッションを重ねたことが、今のお芝居につながった気がします。僕は挑戦することが好きな性格で、いろんなものになれる点に魅力を感じて俳優になったので、感性を磨くこと、挑戦することを一つずつ積み重ねて、さらに成長していけたらと思っています。
(取材・文/井上健一)