「義両親は『ウチは財産はないけれど家柄はお墨付き』と、いつも吹聴して回っていました。ナントカという偉人の、その孫のいとこのいとこの婚家の血筋だとかで、『だからみんな顔立ちに品がある』と自慢しています。
私の両親にも得意顔で語っていましたが、その話が本当なのかどうかいまだに分かりません。仏間に飾られた数々の写真を見ても、いったい誰が偉人なのかピンとこないですし、とくに上品とも思えない面々です。
夫に聞いても『俺もよく分からない』と首をかしげていましたが、義母はことあるごとに、平凡なサラリーマンの家庭出身の私を『どこの馬の骨とも分からない人』とバカにしていました。
『自分だって田舎から嫁入りして来たくせに、私の実家を見下さないで!』と、毎日のように心の中で腹を立てていましたが、その義母も89歳で亡くなり、今では遺影写真に加わって飾られています」(59歳・女性・関東)
このように、有名な血筋を言いふらす行為はあまり信憑性がなさそう。というのも、誰かの冗談や、酒の席での話に尾ひれがつき……ということも大いにありえるからです。
家系図でもない限り、話半分で聞いた方がいいかもしれません。でも、義両親に「そんなのは分からない」なんて指摘するわけもいきませんから、聞き流したほうがよさそうです。
それにしても「馬の骨」とはひどい言い草。そんなことを平気で言うようでは、由緒ある家柄に嫁いできた人とは思えません。もしかしたら、義母もそう言われ続けていたのかもしれませんね。
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