
“jackass”シリーズのジョニー・ノックスヴィルが86歳の破天荒エロジジイに扮して善良な米国民をダマし倒す『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』。本作でもジョニーのハチャメチャなドッキリに大爆笑だが、先ごろ来日したジョニーが“その原点”を明かした。
本作はロードムービー仕立てなので、一応ストーリーがある。86歳のアーヴィング・ジスマン翁は、離れて暮らす8歳の生意気な孫ビリーの父親を探すため、アメリカ横断の旅へ。ところが、道中では一般市民を犠牲にするドッキリ三昧で、スーパーで万引き&その場で喰う、店の看板や標識に車で激突するなど、しょうもないことをしては悪態をつく始末だ。
下品でオゲレツ、不快極まりないが、その究極の不謹慎に、この上なく爆笑してしまうことも事実。ジョニーも悪いとはわかっちゃいるけれど、楽しくて止められないようだ。「確かに。葬式のシーンは、ちょっと申し訳ないなと思った(笑)。遺体が転げ落ちてくるわけだからね! でも、老人のフリをすると殺人も許されることがわかって勉強になったよね」。
気になるのは、その原点。全世界が大爆笑するイタズラを発想する源泉は、タイヤ会社の経営者である実父が「とてもイタズラ野郎だった(笑)」からだという。「従業員へのイタズラがひどかったよ。全員に下剤入りのミルキセーキを飲ませたり、クリスマスパーティーを開いて銃撃したりね(笑)」とトンデモ親父のエピソードを披露。「ふたりの従業員同士にモメるように指示を出して、空砲を与えて撃てと(笑)。そりゃ、パーティーの参加者は逃げ出すよな。翌年も新入社員が来るわけだが、同様のことをするってわけ。ただ、翌年は違った。参加者全員が空砲を持っていたから(笑)」。この親にして、この子ありだ。
「父親がオリジナルだ(笑)」と言って、リスペクトする気持ちを隠さないジョニー。しかし、いまや子は大スターで、“jackass”は名だたるセレブがファンを公言する人気シリーズに成長した。極めてパーソナルなドッキリ企画も、世界中が待っている名物になったわけだが、当の本人にプレッシャーなどはサラサラない。「まあ、反応は気になるっちゃなるけれど、オレたちはくだらないイタズラがとにかく大好きだ。ダチと生み出している個人的なモノを、全世界の人とわかちあっていることって、とてもいいよね。特に日本の皆とはね!」
『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』
公開中
※取材・文・写真:鴇田崇