名家、旧家と言っても、名家は“社会的に貢献をした人物”を輩出している家。名声を得ており、視点は常に外に向かっています。

一方、旧家は土地に密着しており、代々長く続く家。自分の家や血筋を守ることが目的で、視点の方向は内側です。

この二つは似ているようで異なっていますが、「家を受け継いでいく」という考えは同じです。

一般家庭に育った人にとっては「名家? 旧家? そんな旧態依然な家なんてあるの?」という感じですが……。

妻は身を粉にして働き、家に尽くす。ただただ、家の名誉と存続だけが使命なのだそう。ヒエ~恐ろしや。

今回は、そんな“一般家庭からかけ離れた家”のエピソードをご紹介します。

「私たちが住む辺りは女の子が生まれるとすぐ、妻の実家がひな人形を贈る風習みたいです。知らなかった私は、漠然と『ひな人形は高いし、カジュアルなものでいい。大好きなカントリー調の人形を、おひな様として飾ろうかな』と考えていました。

ある日、遊びに来た義母に『おひな様がないわね。あなたのご実家からはいつ届くの?』と突然イヤミを言われてびっくり。『くれないの。じゃあこれから買いに行くわよ』と怒り出したので、あわてて母に連絡して贈ってもらいました。

そのひな人形を見て、義母は『あら、5段じゃないのね』『どこのブランドなの?』『いくらなのかしら、この人形の顔は10万くらい?』『やっぱりウチが50万のを買った方がよかったね』 と言いたい放題でした。私の両親のことも悪く言うなんて、絶対許さないと誓いました」(31歳・女性・北関東)

「ひな人形は妻側の親が買う」とよく言われていますが、そうではない地方の話も聞いたことがあります。この件に限らず、生まれてからずっと同じ土地に住んでいると、そこだけの風習が全国区の風習と思ってしまいがちです。

そうならないためには、年間の季節の風物詩や文化について、周囲の人に聞いておくといいでしょう。

このエピソードは、義母はイヤな言い方をしましたが、買ってくれようとしているので、心の底から意地悪な義母ではないと思います。

また、「息子には言えないので嫁にイヤなことを言う」という義母も多いでしょう。それは「息子が抗議しないから分かっていない」場合があります。義両親に理不尽なことや感情的な言い方をされたら、明るめの口調で、夫に報告しておいた方がいいかもしれません。

たえなかすず:歌人。短歌を詠むことが好き。ブラブラとOL時代を送ったあと結婚し、二人の娘の母になった恋愛コラムニスト。他恋愛サイトでも連載中。昭和マニアなのでいつも昔に思いをはせています。恋愛の話と面白いネタに食いつきます。趣味は映画観賞とマラソン。