グローバル標準である残余財産優先分配権の非参加型に対応。解説ドキュメントも同時公開!

スタートアップの各種データの標準化・デジタル化を目指す非営利団体である一般社団法人スタートアップデータ標準化協会(以下「データ標準化協会」)は、種類株式を用いた資金調達向け投資契約書雛形「SEEDs」につき、残余財産優先分配権の非参加型に対応した新バージョン、および解説ドキュメントを新たに公開したことをお知らせいたします。



■SEEDsの概要
SEEDs(Seed or early stage Equity Engagement Documents)とは、シード・アーリーステージ以降のスタートアップが初めて種類株式を用いて資金調達する際の投資契約書及びそのガイダンス群です。

スタートアップのエクイティファイナンスは、一般的な中小企業では滅多に用いない「種類株式」や「新株予約権」を多用して行います。しかし、これらの契約書類は標準化が進んでおらず、各スタートアップ・投資家が独自の書面を作成せざるを得ない状況でした。その結果、高額なリーガルコストと煩雑な修正作業に貴重な時間とリソースが費やされてきました。

スタートアップデータ標準化協会では、スタートアップ関係者にとって貴重な時間とお金を事業に充てられるよう、登記や株式実務に関連するドキュメントのテンプレート化に取り組んでおります。2024年2月に第一弾として、種類株式を活用して資金調達する際のテンプレート「SEEDs」を公開し、スタートアップエコシステムの皆さまからご反響を頂いております。

■SEEDsのバージョンアップの背景
日本のスタートアップエコシステムは、いわゆるスモールIPO問題や、アメリカと比べてM&A(企業買収)の件数や規模が極端に少ないことなど、スタートアップの出口戦略に大きな課題を抱えています。政府も「スタートアップ育成5カ年計画」の柱の一つとして「出口戦略の多様化」を掲げ、IPOプロセスの見直しやオープンイノベーション促進税制などの対策を打ち出しています。

この問題の一つの原因として、日本独特の投資契約の在り方が挙げられます。日本では、世界の標準からかけ離れた「参加型」という投資家に極めて有利な契約が主流となっています。この「参加型」というのは、M&A時の財産の分配方法に関するものです。具体的には以下のような仕組みになっています:


参加型の場合:
まず優先株主の投資家が投資した金額を全額回収します。

その後、残ったお金を投資家を含む全ての株主に分配します。



非参加型の場合:
優先株主の投資家は投資した金額だけを回収します。

残ったお金は普通株主(主に創業者や従業員)に分配します。

※優先株主の投資家は、保有する優先株式を普通株式に転換することにより、普通株主と同じく持株比率に応じて分配を受けることもできます。



日本で主流の参加型は投資家に二重のメリットがあるため、起業家にとっては不利な条件となっています。これが、起業家のM&Aへの意欲を削ぎ、結果的に小規模なIPOを選ばせる一因となっております。

こうした背景を踏まえ、当協会は、種類株式を使った資金調達用の投資契約書のひな型「SEEDs」を見直し、新たに「非参加型」にも対応した新バージョンを公開することにしました。
この改訂により、日本において非参加型の投資契約が普及し、出口戦略の多様化に寄与することを期待しております。

▼新しく公開された非参加型のひな型の請求はこちらから
https://share.hsforms.com/1toyiIL5RSa6AWlyyI6okOAqjjql

■解説ドキュメントの公開

今回のバージョンアップに併せて、SEEDs作成チームのスタートアップデータ標準化協会登記WGチームにて解説ドキュメントを公開いたしました。
このドキュメントでは、種類株式や投資関連契約に関する実務上の課題を整理したうえで、SEEDsの特徴や運用方法、登記の実例などを解説しております。


▼新しく公開された解説ドキュメントの請求はこちらから
https://share.hsforms.com/1toyiIL5RSa6AWlyyI6okOAqjjql


■お問い合わせ

本件または協会に関するお問合せは、以下までお願いいたします。

一般社団法人スタートアップデータ標準化協会
事務局:staff@startupstandard.org
HP:https://www.startupstandard.org/
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