CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン
(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、今年で23回目の実施となる、J.D. パワー 2024年日本自動車サービス顧客満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査(SM)の調査結果を発表した。

スコアの概要は下記の通り:
総合満足度の調査平均スコアは725ポイント(1,000ポイント満点)で、前年とほぼ同水準(前年比+1ポイント)となった。

ファクター別の調査平均スコアでは、「予約/入庫」が728ポイント、「サービス品質/納車」が724ポイント「店舗施設・サポート」が722ポイントとなった。

セグメント別の総合満足度スコアは、ラグジュアリーブランド平均が775ポイント、マスマーケット国産ブランド平均が721ポイント、マスマーケット輸入ブランド平均が747ポイントとなった。



2024年調査の主なポイントは下記の通り:

リコール対象での入庫が増加、アフターサービス利用者全体*の顧客満足度を下回る
 近年、車の先進技術の進化や搭載機能の拡充が進み、顧客の品質や安全性に対する期待は高まっている。そのような状況下、アフターサービスの領域ではリコールの問題が顕在化し、その対応にも厳しい視線が向けられている。
 本調査では、正規ディーラーでアフターサービスを利用した際に「故障・不具合の修理があった」割合は11%で、前年と同水準だった。一方、その修理が「リコール対象だった」割合は前年の34%から46%へと大幅に増加している。また、リコール対象の修理があった場合の満足度は711ポイントで、アフターサービス利用者全体の725ポイントより14ポイント低く、リコール対応時における不満が浮かび上がった。

*故障・不具合の修理が発生しなかった場合も含む

入庫~納車プロセスにおける時間調整・対応品質の改善は、リコール対象顧客の不満解消に有効
 リコールで入庫した顧客は、入庫の“2週間以内”に入庫日時が決まっている割合が53%と過半数で、全体(45%)を+8ポイント上回った。このことは、リコール対応で入庫した顧客は、実際の入庫から近いタイミングでの予約が多いことを示しているが、“入庫予約のとりやすさ“の評価をみると、リコール対象で入庫した顧客の評価は7.02であり、全体の7.23を大きく下回ることがわかった。
 また、納車時においては、入庫から納車までの作業時間が「1時間以内」だったのは、全体では58%であったのに対し、リコール対象で入庫した顧客では39%と作業時間の違いが大きい。それに加えて、「作業が事前の予定よりも遅くなった」という割合でも、全体では7%であったのに対してリコールで入庫した顧客では11%と差がみられた。
 さらに、納車時の対応面においても課題がみられた。リコールで入庫した顧客は、「担当者が一方的に説明をしていた」、「質問へ適切な回答をしてくれなかった」というネガティブな対応について、“まったくなかった“という割合がそれぞれ35%と46%で、いずれも全体より7ポイント低かった。
 納車の満足度との関係をみると、ネガティブな対応が“まったくなかった“場合は、「担当者が一方的に説明をしていた」では802ポイントと全体を78ポイント、「質問へ適切な回答をしてくれなかった」では789ポイントと全体を65ポイント上回る高い満足度を得ている。リコール対象だった顧客は、ディーラーの担当者とのコミュニケーション面でのストレスが、満足度の低下を引き起こす要因のひとつとなっていたことがうかがえる。
 リコール対象として入庫した顧客へのディーラーの対応は、入庫予約の取りやすさ、修理にかかる作業時間の長さなど通常の点検として入庫した場合に比べて、イレギュラーな対応が発生し、時間の調整に苦心している様子がうかがえる。また、担当者の説明の仕方や顧客の質問への適切な回答などでも課題が見受けられた。
 リコールは顧客にとって想定外の事象と位置付けられ、マイナスイメージを持って入庫する者も少なくないだろう。ディーラーはリコール対応ということを念頭におき、基本的な説明や確認を着実に行うだけではなく、より顧客に寄り添う姿勢や丁寧で柔軟な対応を心がけることが重要である。

J.D. パワー 2024年 日本自動車サービス顧客満足度調査 総合満足度ランキング

【ラグジュアリーブランド】(対象5ブランド)
第1位:レクサス(807ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」「サービス品質/納車」の全ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:BMW(772ポイント)

【マスマーケット国産ブランド】(対象8ブランド)
第1位:日産(736ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」の2ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:ホンダ(735ポイント)
第3位:トヨタ(727ポイント)

【マスマーケット輸入ブランド】(対象5ブランド)
第1位:MINI(783ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」「サービス品質/納車」の全ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:フォルクスワーゲン(772ポイント)

《 J.D. パワー 2024年日本自動車サービス顧客満足度(CSI)調査(SM)概要》
年に一回、新車購入後14~49ヶ月が経過した顧客を対象に、メーカー系正規ディーラーで直近1年間に点検や
修理などのアフターサービスを利用した際の販売店対応に対する満足度を聴取し明らかにする調査。
今年で23回目の実施となる。
■実施期間:2024年5月~6月
■調査方法:インターネット
■調査対象:新車購入後14~49ヶ月が経過し、直近1年間にメーカー系正規ディーラーにサービス入庫した
ユーザー(18歳以上)
■調査回答者数:8,670人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評
価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に
対する影響度が大きい順に「店舗施設・サポート」(35%)、「サービス品質/納車」(34%)、「予約/入庫」(31%)となっている(カッコ内は影響度)。

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは自動車に関するデータと分析の国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。自動車業界及び一部の関連企業に、業界インテリジェンスや消費者インサイト、アドバイザリー、ソリューションを提供しています。
独自の広範なデータセットとソフトウェア機能を高度な分析および人工知能ツールと組み合わせて活用し、クライアントのビジネスパフォーマンスの最適化を支援しています。
J.D. パワーは 1968 年に設立され、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。
事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。

J.D. パワーでは、本調査以外にも、毎年複数の自動車関連調査の結果をリリースとして発表しています。
8月:日本自動車セールス顧客満足度(SSI)調査
9月:日本自動車サービス顧客満足度(CSI)調査、日本自動車初期品質調査 (IQS)
10月:日本自動車商品魅力度(APEAL)調査 、日本中古車セールス顧客満足度(UVSSI)調査
11月:日本自動車テクノロジーエクスペリエンス(TXI)調査
12月:日本EVエクスペリエンス-オーナーシップ(EVX-O)調査
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