答案添削や重要な箇所を強調するときに用いられる赤ペン。学習用途のみならずビジネスシーンでも多く使用されているが、“赤字で名前を書く”ことは一般的にマナー違反とされることが多い。しかしネット上では「仕事中に赤ペンでメモしてて、つい赤字で名前を書いちゃうこともある」「よく赤ペンで名前書くけど、気にする人っているのかな?」という声もあり、そこまで意識していないという人も多いようだ。
そもそもどうして“赤字で名前を書く”のはNGなのか
マナー違反だと思う人からは「赤字で名前はダメっていうのは、理由は知らないけど子どもの頃からしみついているし、気持ち悪いと思っちゃう」「具体的に理由はないけど、なんとなく嫌な感じがする」など、感覚的な声が多くあがっている。
“赤字で名前”が忌み嫌われる有力な説として挙げられるのは、お墓の朱塗り文化。存命中にお墓を建てる場合、建立者の名前は赤字で刻まれることが多い。そのことから、赤字は“いずれお墓に入る”という意味にもとれるので、“死を連想させる”と避けられているようだ。
また、“血の色を連想させる”という意見もあり、「絶縁状や決闘を申し込む際の果たし状は赤字で書くから縁起が悪いかな」「戦時中の召集令状(赤紙)をイメージしてしまう」とのコメントが寄せられた。
中には「小学生の頃、赤字で名前を書いたら呪われるっていうのが流行った」「学校で流行った迷信で、赤字で名前を書いたら寿命が縮まるっていうのがあったなぁ」といった声もあり、幼い頃の言い伝えが影響していることも。
一方で、若い世代からは「聞いたことはあるけど、まったく気にならない」「失礼だってことをそもそも知らなかった」「ダメな理由がなんかぼんやりしてるよね。気にしなくていいんじゃない?」という声も上がりはじめており、マナーの認識に変化が生じているようだ。
時代や働き方の変化とともにマナーが変化するのは当然のことだろう。しかし赤字で名前を書くことに対して、“気にする人がいる”ということは心に留めておきたいものだ。(フリーライター・井原亘)
■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている