日本代表生徒7名が各大会を振り返り、世界各国の異文化に触れた貴重な経験を報告「地球の歩き方」コラボ冊子では、科学オリンピックの魅力を旅のモデルコースのように紹介
この度、国立研究開発法人 科学技術振興機構(以下、JST)理数学習推進部は、日本科学オリンピック委員会(運営委員長:筧 捷彦)と共同で、2024年度国際科学オリンピック(数学、化学、生物学、物理、情報、地学、地理)の日本代表生徒による大会参加報告と、創刊45周年を迎えた人気旅行ガイドブック「地球の歩き方」とのコラボレーション冊子の発表を、報道関係者向けに実施いたしました。
国際科学オリンピックは、毎年夏に世界各地で開催される、世界中の科学に興味を持つ中高校生たちが科学技術に関する発想力や知識、問題解決能力などを競う国際的なコンテストで、日本からも政府の支援を受けた7教科・科目において、中等教育課程(中高校生相当)の代表生徒を派遣しています。今年は、日本代表として総メダル数27個(金メダル9個、銀メダル14個、銅メダル4個)を獲得しました。
第1部の2024年度国際大会参加報告では、JST理数学習推進部長 原口亮治の挨拶に続き、日本科学オリンピック委員会 運営委員長の筧捷彦が、国際科学オリンピックの概要や本年度の日本代表生徒の成績について報告しました。
その後、全7教科・科目の国際科学オリンピック日本代表生徒が登壇し、それぞれ各大会を振り返りました。ヨーロッパや中東地域など世界各国で開催された大会の様子や、国際大会を通じて各国の異文化に触れた貴重な経験などを報告しました。
また、国際科学オリンピック親善大使を務める山崎直子氏からの応援メッセージも公開されました。山崎氏は「科学の道への源は好奇心だと思います。皆さんがワクワクする気持ちを大切に、科学の道で挑戦し続け、世の中に貢献されていくことを楽しみにしながら、応援しています!」と生徒たちにエールを送りました。
■2024年国際大会結果
参考:https://www.jst.go.jp/cpse/contest/student/medalist/index.html
第2部の「地球の歩き方」コラボ冊子発表冒頭では、まず国際科学オリンピック親善大使の桝太一氏からのメッセージ動画が公開されました。桝氏は、「科学オリンピックが『地球の歩き方』とコラボし、まるで旅のように紹介されると聞いていますが、両者は素晴らしい出会いがあるという点で共通すると思います。科学オリンピックも決して一人旅ではなく、同級生や先輩・後輩、また歳の離れた大人たちなど、普通ではなかなか巡り会えない人々と出会える、そんな場であると思います。これからも科学の旅人が増え、たくさんの人々が繋がっていけるように、国際科学オリンピックがもっと多くの人に伝わることを心から願っています」と今後の科学オリンピックの発展に向けた熱いメッセージを送りました。
続いて、日本科学オリンピック委員会の筧運営委員長と株式会社地球の歩き方 観光マーケティング事業部 加藤みのり氏が登壇し、コラボレーション冊子の実施背景や内容の説明、作成にあたっての工夫点などを紹介しました。
さらに、国際科学オリンピックオリンピアンである浅見慶志朗氏と高橋都氏をゲストに、科学オリンピックの魅力や国際大会を経験して得られたことなどをテーマにトークセッションを実施しました。
<科学オリンピックの紹介及びコラボ冊子制作における協賛企業について>
日本科学オリンピック委員会 運営委員長 筧捷彦
科学オリンピックは優秀な人だけでなく、中高生であれば誰でも参加できます。入試にも直接役立つ上、大学での学びにつながる知識や学び方、考え方も身につけることができます。また、科学オリンピックに参加すると、日本国内や世界各地に点在する多くの仲間との出会いや、世代・分野を越えたサイエンスネットワークへの参加、最先端の研究や学校での学びの先にある学問の本質に触れる機会なども得ることができます。さらに、自身の努力や成果を示す証明書にもなり、充実したサポートプログラムも受けることができます。今回、ETS Japan様、スリーエムジャパン株式会社様、株式会社ナリカ様にご協力をいただき、地球の歩き方様とのコラボレーション冊子を制作いたしました。
<「地球の歩き方」コラボ冊子の作成ポイント>
株式会社地球の歩き方 観光マーケティング事業部 加藤みのり氏
今回、世界規模のコンテストである科学オリンピックとコラボし、小冊子を制作しました。本冊子が、未来を担う中高生やその保護者の方々に向けて、科学オリンピックの魅力をお伝えし、オリンピックを目指す中高生を増やす一助となれば幸いです。本冊子では、旅行先を見つけるように各オリンピックを見つけてほしいという思いで、それぞれを大陸に見立てて紹介しています。また、選考の流れや科学オリンピックに挑戦することでどのような未来につながるかを先輩方のコメントを交えながら紹介しています。「地球の歩き方」を通じて科学オリンピックの魅力をお伝えすることで、中高生の皆様に科学オリンピックにチャレンジしてみたいと興味を持っていただけたら嬉しいですし、参加人口の増大に寄与できればなお嬉しいです。
<国際科学オリンピック参加者トークセッション>
2011年度国際地学オリンピック日本代表 浅見慶志朗氏
2023年度国際生物学オリンピック日本代表 高橋都氏
―「地球の歩き方」とのコラボレーションについての感想
浅見さん:科学オリンピックを知らないと挑戦してみようという気にもなりませんが、今も埋もれている才能はたくさんあると思います。今回の冊子はそのような才能を発掘するのに良い入口となると思います。
高橋さん:「地球の歩き方」は自身にとってもすごく身近で、幼い頃から本棚にあり、また国際大会に出場する際にもお世話になりました。「地球の歩き方」を見て、こんな国があるんだと知ったこともたくさんあったので、それと同じように科学オリンピックを知ってもらえることはすごく良いことだなと思います。
―国際科学オリンピックで思い出に残っていること
浅見さん:国際地学オリンピックはその地域の地質に関する問題などが出題されるのですが、私が参加した時はイタリアにあるモデナという都市で開催されました。その際に、古い石造の石柱を使ったテストなど、現地ならではの問題を一般のお客さんがいるカフェや教会など、街中で解いたことが衝撃的でした。今でも建物などの石を見ると種類がわかるので、少し面白い習慣がついてしまいました。
―国際科学オリンピックを経験した中で、得られた一番重要なこと
高橋さん:度胸がついたと思います。科学オリンピックの合宿の際に、人生で初めての一人旅をしたのですが、自身を一段階大人にしてくれたのは科学オリンピックだと思います。その後、とんでもないような事態が起きても、何とかなるでしょうという気持ちが自分の中にあるのは、科学オリンピックの経験があったからだと思います。
―今後の目標や夢について
浅見さん:地学オリンピックに出場し、研究者としての今に至るまで、様々な人に会っていろいろな経験をさせてもらい、ここまで導いてもらえました。そのため、これからは自分が関わる人たちに良い影響を与え、地球科学の分野に導くことで恩返しをしたいです。
高橋さん:研究者になることが夢なので、研究の道でできることを探していきたいです。また、科学オリンピックを通じて、研究者の方々にサポートいただいたので、自身も研究に携わる人を支えながら、小学生や中高生などに生物学の面白さを伝えていきたいです。
■日本科学オリンピック委員会について
「チャレンジの先に、なりたい自分がいる」をコンセプトに、数学、化学、生物学、物理、情報、地学、地理の7教科・科目の国際科学オリンピック日本代表生徒の国内選考・派遣を実施する団体で組織。国や自治体、教育・学術機関、産業界をつなぎ、産学官連携によるオールジャパンでの科学技術人材育成の推進を目指します。
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