パナソニックはこのほど炊飯器の新製品SR-V10BBとホームベーカリーの新製品SD-CB1を発売した。プロが理想とする最高の炊きあがりが家庭でできる炊飯器と食べきりサイズの焼き立てパンを楽しめるコンパクトベーカリーは、食欲の秋にふさわしい主食が味わえる製品だ。
ビストロ匠技AIによる米のツヤや粒感が高評価
暑い日はまだありそうだが、長かった残暑のピークは過ぎ、季節は秋に入る。秋といえば、やはり食欲の秋。魚類や野菜類、きのこ類などの食材が旬を迎え、主菜や副菜が美味しいシーズンだ。
一方、この夏は令和の米騒動と命名されるほど米が品薄状態となった。9月中旬頃から品薄状態は解消されてきているが、今回の騒動は日本人にとって、いかに米が主食として大事であるかを改めて認識させたといえるだろう。
新米が流通するこれからは、主菜や副菜だけでなく米が美味しい時期でもある。そんな時期に合わせてパナソニックが発売したのが、可変圧力IHジャー炊飯器 ビストロ SR-V10BB(以下、V10BB)だ。
パナソニックのビストロは、テイストクオリティーとテクノロジー、デザインの3つの要素を備えた調理家電の特定モデルに付けられた名称である。
炊飯器でビストロを冠した製品は2023年秋のSR-V10BA(以下、V10BA)が初めてで、同製品はビストロ匠技AIを搭載していた。これは3つのセンサーで米の状態を検知して最適な火加減と圧力加減を自動で調整する機能だ。
同社が行った購入者アンケートでは、回答者の92.5%がビストロで炊いた米は美味しいと評価し、良いと感じたポイントでは『ツヤがある』『粒感がある』『甘みを感じる』がトップ3だったという。
実際にV10BBで炊いた米を試食したが、炊きあがった米は確かにツヤツヤ。口に含むと、もちもちとした弾力を感じながらも1粒1粒の存在感もある。噛むほどに米の甘みも口の中に広がっていき、購入者アンケートの高評価ポイントを実感することができた。
うるおいキープ(24時間)で保温時も美味しい状態をキープ
V10BBはV10BAの後継機種で、ビストロ匠技AIがさらに進化。V10BAでは炊飯中の米の状態を判別していたが、V10BBでは炊飯のみならず保温状態でも米の状態と量を判別する。
同社の調査によると、炊きあがりをすぐに食べる人は20%以下。約半数は炊飯終了後20分以上経ってから食べるか、保温・保存してから食べている。
さらに家族といえども全員が揃って食卓に座るのは、ほとんど休日だけというのが実情だ。炊きたての米は美味しいが、現実として炊きたてを食べているのは少数なのだ。そこで新たに搭載した機能が、うるおいキープ保温(24時間)である。
保温している間は当然、食べた分だけ残量が減っていく。さらに炊きたてをピークとして米1粒1粒に含まれる水分の含水率も時間の経過とともに減少し、米が固くなっていく。
うるおいキープ保温(24時間)は保温中の米の残量を検知し、その量に合わせて釜内の温度をコントロールする。同時に加圧追い炊きポンプを使って釜内の水分量も調整し、保温中の米が固くならず、べたつきもない状態に保つ機能だ。
このうるおいキープ保温(24時間)によって、炊きあがり後の米の含水率減少は前モデルのV10BAよりも抑制され、時間が経っても米のうるおいを維持し、美味しさが長く続く。
また、具材を入れて炊く炊き込みメニューも進化した。加圧追い炊きポンプで加圧しながら高温で加熱できるので、具材にしっかり火が通り、入れる具材量が従来の2倍にアップ。具沢山の炊き込みご飯が簡単に調理できる。
なお、V10BBの炊飯容量は5.5合までだが、1升までのSR-V18BBといくつかの機能が非搭載の5.5合炊きSR-W10BBも同時発売している。
コンパクトな本体で食べきりサイズのパンがつくれる
主食といえば米だけでなく、食パンもある。総務省の家計調査によると、2023年の1世帯における購入頻度は圧倒的に食パンが米を上回っている。もちろん、Kg単位で販売されている米と斤単位の食パンでは1回の購入で食べられる量の違いはあるが、多くの家庭では結構な頻度で食パンを購入していることが分かる。共働きで忙しい朝はトーストの朝食が定番という家庭も多いのではないだろうか。
自宅でパンをつくれるのがホームベーカリー。ホームベーカリー元年は1987年で、パナソニックは『炊飯器以来の発明です』というキャッチコピーで初号機を発売し、大ヒット商品になったという。
ホームベーカリーは何度かブームになったことはあるが、パナソニックが実施した調査で近年の所有率は約17%にとどまっている。同社によると、ホームベーカリーを購入しない最大の理由は置き場所がないことで、次が製品価格の高さだった。
このような課題を解決し、ホームベーカリーで毎日焼きたてのパンを楽しむために開発されたのが、業界最小サイズのコンパクトベーカリーSD-CB1(以下、CB1)である。本体の幅は18.8cmで、奥行は28.5cn、高さは24.3cmとまさにコンパクトサイズだ。
本体のコンパクトでは基板やシャーシ、本体の脚などの設計変更に加えて、モーターも薄型の扁平型モーターを採用し、試作を重ねて現在の形にたどり着いたという。
基本的にホームベーカリーは1回で1斤のパンをつくる。しかし、CB1でできるパンは約0.6斤。どれくらいの量かというと、5枚切りの食パン3枚分。少人数世帯が1回の朝食で食べ切れるサイズだ。食べきれないために翌日に回すことがなく、毎朝、焼きたてのパンを楽しむことができる。
独自開発のプログラムで安定した焼き上がりを実現
人の手による一般的なパンづくりでは、すべての材料を混ぜてこねるストレート法を採用していることが多い。上位機種のビストロSD-MDX4は、先に生地を練ってからイーストを後で投入する改良中麺法と呼ぶ製法を採用しているが、CB1でできるパンはこれとは異なる改良ストレート法でつくられる。
ストレート法と同様にすべての材料をパンケースに投入するが、短時間ねかせて発酵を調節しながら材料と水をなじませる。面倒な手間はなく、小麦粉の量を量る粉軽量カップと砂糖やイースト用のスプーンが付属しているので、計量のためのデジタルスケールがなくてもつくれる。
これまでとは異なる製法に合わせてプログラムも新たに開発した。イーストを最初に入れても過発酵せず、さらにセンサーの応用で気温に合わせてプログラムが可変。1年を通して安定した焼き上がりを実現したという。焼き上がりに要する時間は食パンであるデイリーパンの場合、約3時間だ。
CB1はデイリーパンだけでなく、20メニュー・30種類のメニューを搭載している。水分率が高くもちもちとした高加水パンや米粉パン、全粒粉パンなどのほか、パン生地やピザ生地、ジャム、ガトーショコラなどもつくれる。
CB1で焼き上げたパンの実食では、焼きたて独特のパンの香りとともに外側の耳の部分はカリッと焼け、中はまさにもちもちだった。市販の食パンにはなく、ホームベーカリーでつくった焼きたてのパンだからこその香りと味を楽しむことができた。
食欲が増進する秋。炊いた米が美味しいと食事も楽しくなり、毎朝の焼きたてのパンは日常に新しい楽しみを与えてくれる。また、両製品とも多彩なメニューに対応しているので、いつもとはちょっと違ったタイプの主食をつくってみるとさらに楽しみが増えるだろう。
米とパンという2種類の主食を簡単手軽で、時短なのに美味しい出来上がりに仕上げるパナソニックの炊飯器とホームベーカリーの新製品2モデル。デザイン性や質感、サイズ感も含め、家電量販店などの店頭でチェックしてみよう。