江戸時代にも若者言葉が使われていた?(画像はイメージ)

「ディスる」「愚痴る」のように、最近の若者言葉のイメージがある「~る」という言葉。これは外来語や名詞に「る」を付けて動詞化した表現だが、実は江戸時代から使われていた略語だったことがネット上で話題となっている。江戸時代にどのような言葉が使われていたのか、詳しく見ていこう。

「お茶漬けを食べる」を略して「ちゃづる」

具体的な例を一つ挙げると、江戸時代に使われていた「ちゃづ(茶漬)る」という言葉。文字通り、お茶漬けを食べることを意味する。最近では「タピオカを食べる」ことを「タピる」というが、これに近い表現だ。意外な事実にネット上では、「日本語は今も昔も変わらないのかも」「いつの時代もやることは同じなんだね」などの声が上がっていた。

「ちゃづる」が使われるようになったのは、お茶をご飯にかけて食べるという食生活が一般的になったことも背景として考えられる。お茶漬けを主として簡単な料理などを出す「茶漬屋」というお店が、江戸時代になって普及し始めたのだ。一大ブームを引き起こしたタピオカと似たような存在だった可能性もあるだろう。

ちなみに江戸時代には、大雨が降ることを「車軸を流す」という意味で「しゃじく(車軸)る」、神戸の名酒である剣菱を飲むことをさす「けんび(剣菱)る」など、他にも「~る」と表現された言葉があった。現代でも使われる「グレる」も、実は江戸時代に使われていた言葉なのだそう。

最近生まれた表現だと思っていた「~る」という言葉。他にも探してみると、意外な言葉が江戸時代から使われていることに気づけるかもしれない。(フリーライター・波多野陽介)

■Profile

波多野陽介

学生時代からクイズ好きで、卒業後からフリーライターとして活動中。世の中の様々な雑学、トリビアを中心にオールジャンルの記事を手掛けている。知識量を増やすべく日々リサーチ中。