ほか、豪雨で減った「子どもの居場所」、臨時で11月末まで毎週末開設など複数の支援を展開




認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都中野区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は「令和6年奥能登豪雨」において、現地での支援を開始しました。

輪島市の公立小中学校に防じんメガネ・マスクを提供した他、子どもが安心して過ごせる居場所および預かり支援「みんなのこども部屋」を週末に限定して11月末まで開設

また認定こども園の早期復旧に向けた物資支援水害の復旧に必要な「古タオル」「飲料水」「高圧洗浄機」の物資支援などを実施しましたのでお知らせします。

河川が氾濫。下水等を巻き込んだ泥が乾いた粉じんによる健康被害への懸念。子どもが外では遊びづらい状況に。
2024年9月に発生した奥能登豪雨では輪島市・珠洲市などの奥能登地域複数の河川が氾濫しました。これにより被害が大きかった石川県輪島市では、床上・床下浸水被害が621棟、全壊10棟などの被害が報告されています。(*1)

カタリバは2024年1月に発生した能登半島地震の当初から、能登地域にて、さまざまな子ども支援をはじめとする地域支援を行ってきました。

輪島市に拠点を構え、職員が常駐しながら地域の復興支援を行っている最中に豪雨災害が発生しました。

これまで地域の団体や住民の方と共に復興支援に取り組んできた経緯もあることから、豪雨災害の発生直後から現地調査を開始。地域の教育施設や子どもの居場所の早期復旧に向けた支援に取り組むこととなりました。

今回の水害では氾濫した河川や川底の泥、下水道から溢れた汚水が街に流れ込みました。発生から1ヶ月以上が経ち、それらが乾いたことで発生した粉じんによる、子どもをはじめ大人への健康被害が懸念されています。

このような状況から、輪島市教育委員会からの要請により輪島市内の公立小中学校に防じんマスク(約3500枚)・防じんゴーグル(約1000個)を提供しました。

輪島市では豪雨災害後、早期に学校が再開しました。今回の防じんマスク・ゴーグルは通学時や日常生活で役立てられます。

輪島市教育委員会からの要請により、市内公立小中学校に防じんマスク・防じんゴーグルを提供

また子どもがいる家庭では休日に子どもを遊ばせる場所が少なく、また粉じんによる被害で外で遊ばせることに不安を抱える保護者もいます。

児童クラブも豪雨により被災したため、元々地震で少なくなっていた子どもの居場所が、豪雨によりさらに少なくなりました。

カタリバでは子どもが安心して過ごせる居場所および預かり支援「みんなのこども部屋」を9月28日から週末に限定して開設。11月末まで週末に限定して開設することを予定しています。

これまで子どもの居場所として機能していた児童クラブ等が被災。再開までの間、カタリバでは毎週末「みんなの子ども部屋」を開設します

■能登半島豪雨 みんなのこども部屋 概要
「みんなのこども部屋」は子どもが安心して過ごすことができる、子どものための居場所です。2024年1月に発災した令和6年能登半島地震後に、主に避難所等で開設し、子どもの居場所・預かり支援として、能登地域に最大11箇所の居場所が設けられました。

【令和6年9月 能登半島豪雨災害 みんなのこども部屋】
・日 時:2024年9月28日(土)~12月1日(日) 週末に限定して開設
・場 所:道の駅輪島「ふらっと訪夢」
・対 象:4歳以上~15歳 ※3歳以下の利用は保護者同伴で可能です
・料 金:無料
・申 込:みんなのこども部屋 申込フォーム(所要時間2分程度)
・取材申込:https://www.katariba.or.jp/report/
・主 催:認定NPO法人カタリバ
・その他:現地への直接の取材依頼はご遠慮ください。必ず事前に取材依頼フォームへお申込ください
被災した認定こども園の早期復旧に向けた物資支援を実施
認定こども園は幼稚園と保育所の機能を兼ね備えた施設で、文部科学省と厚生労働省の認可を受けて運営されています。

災害が発生した際、文部科学省の管轄となる教育機関は早期再開に向けた支援が迅速に行われます。

一方で、認定こども園は文部科学省と厚生労働省の両方の管轄となり、結果としてプロセスが複雑になり復旧支援が遅れることがあります。

今回被災した認定こども園も同様に、こども園の職員やボランティアの手で早期復旧を進める必要がありました。

こども園では床上1メートルを超える浸水被害があり、絵本やおもちゃ、机や椅子、ベビーベッド等に泥が被り使用できない状態となったことを受けて、カタリバでは物資支援を実施

カタリバにご寄付をいただいたことのある寄付者の皆さまに「Amazonウィッシュリスト」での支援を呼びかけ、約300点の物資を早期に届けることができました。

認定こども園の早期再開に向け、約300点の物資を支援しました

水害の復旧に必要な「古タオル」等の物資募集を実施。約6万枚のタオルが集まり、配布。

汚水や汚染された泥をかき出す作業で使用するための「古タオル」等の物資は4トントラック7台分にのぼりました。

発災後、1週間ほど特に物資が届きにくくなる状況を踏ま え、9月23日~9月30日の間、使用済みのタオルや高圧洗浄機などの物資募集を実施。

1034名の皆さんからのご支援により、古タオルは約6万3000枚、飲料水794本、高圧洗浄機33台と必要な数量を十分に集めることができました。

汚水や汚染された泥をかき出す作業では、古タオルでの吸水・水拭きなどが必要な他、支援者が衛生的に作業するために体にかかった泥を拭き取る際等に使用されています。

飲料水は断水が続く地域で配布した他、幼い子どもがいる家庭では、水道水を使用したミルクでお腹を壊した子どもがいる等の声が寄せられ、子どもがいる家庭への配布などを進めています。

「古タオル」は、さまざまな場所の復旧作業で活用されています

支援が届きにくい場所で、地域住民と共に民間ボランティアセンター「まちなじボラセン」の立ち上げ

町野地域の歯科医院での泥かき作業の様子

今回の豪雨災害で最も甚大な被害を受けた輪島市の町野・南志見エリアでは「山津波」とも呼ばれる土石流等の被害が報告されています。

輪島の市街地エリアから町野地区までは車で1時間程かかります。
ボランティアセンターの開設は社会福祉協議会(以下、社協)が担いますが、東西に広い輪島市のなかで被害にあった地域のニーズ調査や支援者の募集、ニーズとのマッチング等を一手に引き受けるには手が足りない状況となっていました。

そこで社協とも連携しながら、町野地域の住民で結成された「町野復興プロジェクト実行委員会」をカタリバがバックアップする形で、住民主体のボランティアセンター「まちなじボラセン」を立ち上げました。

住民同士が声を掛け合い、地域住民のニーズを聞き取って一覧化します。全国から来てくださったボランティアには統一のフォーム等で人材登録を行い、ニーズとのマッチングを行っています。

豪雨から1ヶ月が経とうとする現在も、町野・南志見エリアでは日々ニーズがあげられ、泥かきや掃除等のボランティアを必要とする人が多い状況です。

「まちなじボラセン」では現在もボランティアを募集しています。

■「まちなじボラセン」ボランティア概要
場 所:輪島市立東陽中学校体育館(受付)
時 間:午前(9時~9時半)/午後(13時~13時半)
申 込:輪島市東部地区(町野・南志見)ボランティア申込
受 付:当日は時間までに輪島市立東陽中学校体育館入口で受付を実施
原 則:現地集合・現地解散となりますので、移動・宿泊等が各自でご用意ください
運 営:町野復興プロジェクト実行委員会
運営サポート:認定NPO法人カタリバ
その他:この募集は社会福祉協議会や石川県のボランティア募集とは異なります

認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 :東京都中野区中野5丁目15番2号
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp
問い合わせ
取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/(担当:カタリバ広報 阿部)
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