2024年10月26日(土)から12月15日(日)まで


アニエスべーギャラリーブティック『SCULPTURES FOR A DAY』

 アニエスベー ギャラリー ブティックでは、10月26日(土)から12月15日(日)まで、ナイジェリアの写真家J.D.オカイ・オジェイケレによる個展『SCULPTURES FOR A DAY』を開催いたします。本展では、今年3月から5月にかけてパリのアニエスベーのギャラリー「ギャラリー デュ ジュール」で開催された展示から、オジェイケレの『ヘアスタイル』と『ヘッドドレス』シリーズの24作品を紹介します。国内でこれほど多くのオジェイケレ作品が紹介されるのは20年ぶりのことであり、個展としては今回が初めてとなります。

 1930年、ナイジェリア西部の農村に生まれたオジェイケレは、1950年にフラッシュ機能のないカメラ「ブローニー D」を手に入れました。写真がほとんど知られていなかったこの地域で、オジェイケレはナイジェリアがイギリスからの独立を迎えた過渡期にキャリアをスタートさせ、その作品は、解放によってもたらされた社会的・文化的変化を見事に捉えています。

 あらゆる形態の芸術、とりわけ日常生活に溶け込んだものに敏感だったオジェイケレは、1968年に『ヘアスタイル』シリーズを開始しました。この象徴的なシリーズは、1950年代にナイジェリアへ大量に輸入されたウィッグの影響を背景にしています。当初は民族誌的な視点から始まったプロジェクトは、次第に純粋な芸術性を帯びていきました。オジェイケレは、ナイジェリアの女性たちが身に着ける一瞬の美であるヘアスタイルを写真によって不滅のものとし、その儚さに宿る文化的価値を永遠に刻み込んだのです。

 これらの髪型の伝統は、一時的に衰退することがあったものの、単なるファッションの枠を超え、ナイジェリアの多様な創造的側面や社会的構造を映し出すものとなりました。

「成人した女性、結婚を控えた女性、割礼の儀式を控えた女性などの、それぞれの髪型を見るだけで、彼女たちの立場や状況がすぐに分かります。王室では、髪型が代々受け継がれており、その独自性を王室以外の人々が真似することは許されていません。」J.D.オカイ・オジェイケレ

 『ヘアスタイル』シリーズは、ナイジェリア全土から集められた伝統的なヘアスタイルを1000点近く撮影した作品で、ナイジェリアの豊かな文化と芸術的多様性を物語っています。あまり知られていない『ヘッドドレス』シリーズは、2000年代初頭にオジェイケレが手掛けた作品で、ナイジェリアのさまざまな女性たちのヘッドドレスをテーマに、布を手作業で巧みにアレンジする技術や美学を探求しています。

 これら両シリーズは、多くの人々と共に作り上げたものです。ヘアスタイルやヘッドドレスはある人が作り、別の人がそれを身に着け、そして写真家がその美を撮影するという三者が協力して成り立っています。オジェイケレの彫刻的な写真構図は、後ろ姿に焦点を当てることが多く、ヘアスタイルの幾何学的なデザイン、形状、抽象的な力を際立たせます。

J.D.オカイ・オジェイケレは、写真を通じてヘアスタイルを単なるファッション以上のものに昇華させ、その複雑なパターンや彫刻的な美を称賛しました。『SCULPTURES FOR A DAY』の作品たちは、オジェイケレのレンズによって永遠に記録され、慎ましくも一貫した視覚言語を生み出しています。それらは、ナイジェリアのヘアスタイルの儚い美しさへ真の賛歌を捧げています。

11月9日(土)にはヘアスタイリストによる体験型ワークショップを開催します。ご来場の皆さまは、ナイジェリアで親しまれている伝統的な編み込みヘアスタイルを体験したり、その様子を間近でご覧いただける貴重な体験をお楽しみいただけます。











アーティストプロフィール

J.D.オカイ・オジェイケレは1930年にナイジェリアのオヴビオムで生まれ、2014年にラゴスで亡くなりました。19歳のとき、勧められて手頃な「ブローニー D」カメラを購入し、隣人から写真の基礎を学びました。その才能は早くから評価され、ウェスト・アフリカ・パブリシティ社のスカウトを受け、1963年から1975年まで専属カメラマンとして働きました。その後、自身のスタジオ「フォト・オジェイケレ」をラゴスに開設しました。

1968年には、ナイジェリアで開催されたフェスティバルにおいて、初めてナイジェリア文化の記録に着手し、6x6判のローライフレックスカメラを使って撮影を行いました。それから40年間、ナイジェリア全土を巡り、テーマごとに文化的な調査を行い続けました。代表作である『ヘアスタイル』シリーズでは、1000枚以上の写真を撮影し、ナイジェリアの女性たちの多様なヘアスタイルを系統立てて記録し、オジェイケレの最も包括的で完成度の高い作品とされています。

オジェイケレは、日常の街角やオフィス、パーティーなどの場で、後ろ姿や横顔、時には正面から女性たちのヘアスタイルを撮影しました。その作品は美的なプロジェクトであると同時に、人類学的、民俗学的、そして記録的な価値を持つユニークな文化遺産と評価されています。

アニエスベーの創設者アニエス・トゥルブレは、現代アフリカ美術のキュレーターとして知られるアンドレ・マニャンとのつながりを通じて、アフリカ出身の多くのアーティストの作品と出会い、彼らの類まれな才能に触れることとなりました。ナイジェリアの人々の卓越した美意識と、創造精神を私たちに見せてくれるJ.D.オカイ・オジェイケレもそのひとりです。
SCULPTURES FOR A DAY WORKSHOP
ナイジェリアの髪型を体験し、写真撮影も楽しみましょう!

ヘアスタイリストのMinaさんとNanaさんをお迎えし、ナイジェリアでも人気のある伝統的な髪型のひとつであるコーンロウのブレイドが体験できます。コーンロウの歴史は紀元前まで遡ることができ、その深い文化的背景を知ることで、さらにヘアスタイルを楽しんでいただくことができます。また、会場ではアニエスベーがFUJIFILMと特別コラボレーションした「写ルンです」も販売いたします。デジタルでは味わえない粒子感や独特の色彩、そして現像されるまで結果がわからないワクワク感を、この機会にぜひご体験ください。


■日時:11月9日(土)
1.14:00-15:00
2.15:00-16:00
3.16:00-17:00
※各部のうち1枠

■会場:アニエスベー ギャラリー ブティック
(東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F)

■対象年齢:7歳以上
(大人と子供のペアでご参加ください。)

■定員:各時間先着5組限定
- 参加者の大人の方も一緒に編み込みにご参加ください。
- 編み込みはお一人につき1本のみとなります。
- 髪の長さが15cm以上必要です。
- ヘアスタイリング剤を使用する場合がありますので、皮膚が敏感な方は事前にお知らせください。
- ご来場の受付順にご案内いたします。

展覧会詳細・ワークショップお申込みはこちらから:
https://tinyurl.com/39dw73tv



【アニエスベーについて】
フレンチカジュアルを代表するパリのブランド。流行に捉われることなく、着心地の良さやカッティングにこだわったエスプリ溢れる洋服は、世界中の人に長く愛されています。
アニエスベーはアートや映画、音楽との関わりも深く、ファッションを通じた社会活動、海洋探査船タラ号のサポートを初めとした環境保護活動にも積極的に取り組んでいます。


■読者様お問い合わせ先 アニエスベー TEL: 03-4355-0110


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