ダイレクト系のスコアが初めて代理店系を上回る。ソニー損保が4年連続の第1位

 



CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2024年自動車保険事故対応満足度調査(SM)の結果を発表した。
ダイレクト系の総合満足度が初めて代理店系を上回る
 本年の総合満足度は前年調査(2023年11月発表)に比べ全般的に低下が見られた。主要ファクターである「事故受付体制」、「事故対応担当者」、「調査/認定結果」、「修理サービス」、「保険金支払」では全て10ポイント以上の低下が確認され、総合満足度は2年連続の低下となった。一方、総合満足度を代理店系保険会社*¹ とダイレクト系保険会社*¹ で分けて見ると、代理店系は前年比-28ポイントの低下で692ポイントとなったが、ダイレクト系は前年比+13ポイントの向上で705ポイントとなっており、ダイレクト系が代理店系を上回るスコアとなった。
 契約者の満足度を総合的に聴取する「J.D. パワー 自動車保険契約者満足度調査(SM)」では、2012年*² の調査以来、ダイレクト系の総合満足度が代理店系を上回っていたが、事故対応における満足度を聴取する本調査においてダイレクト系の総合満足度が代理店系を上回る結果となったのは2012年以降初めてである。



*¹ 以下、代理店系保険会社を代理店系、ダイレクト系保険会社をダイレクト系と記載。
*² 2012年より、現在と同じ満足度構造にて調査を実施しており、経年比較が可能となる。
代理店系とダイレクト系で評価差に明暗
 前年調査から大きくスコアが低下した代理店系ではあるが、ファクター別に見ると、「事故受付体制」、「事故対応担当者」、「調査/認定結果」、「修理サービス」、「保険金支払」の5ファクターで20ポイント以上の低下が確認された。詳細評価を確認すると、コールセンターや代理店の事故受付、保険会社や代理店の事故対応担当者の顧客対応に加え、保険金支払におけるスピード感・納得感などの評価で低下しているものが散見された。一方、実態設問を検証しても、顧客接点において対応面や活動量に評価がここまで低下するほどサービスが低下している実態項目は見られない。実態以上に評価が低下していることを踏まえれば、代理店系では顧客に対する姿勢自体に検証が求められる。
 一方、スコアが上昇したダイレクト系では「事故対応担当者」、「調査/認定結果」、「修理サービス」、「代車/レンタカーサービス」、「保険金支払」の5ファクターで10ポイント以上の向上が見られた。「保険金支払」や「事故対応担当者」など事故処理の重要なプロセスを担うファクターの評価向上は、これまでコスト重視で選ばれがちなダイレクト系にとって、サービスの質も向上していることの表れであると言える。



ブランドイメージ設問を追加
 自動車保険契約者満足度調査と同じく、本調査でも本年より、企業のブランドイメージを測定する設問を新設した。昨年報じられた自動車保険会社大手4社による保険金の不正請求関連問題など業界内の不祥事が目立つことからも、企業のブランドイメージがどのように推移するか確認することを目的としている。事故対応をした自動車保険会社に対して、「顧客重視」、「革新的」、「信頼できる」、「積極的」、「親しみやすい」、「財務的に安定」、「評判が良い」と、「契約者編」と同じ7つのテーマで測定している。結果としては全項目でダイレクト系のスコアが高く、最も差が大きいものは「革新的」で0.47ポイント、次に「評判が良い」で0.33ポイント、「顧客重視」においても0.26ポイントとなり、概ね「契約者編」と同様の結果であった。「事故対応編」においても代理店系のイメージ回復が喫緊の課題と言える。



J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント
「「事故対応編」においてダイレクト系が代理店系を総合満足度で上回ったことは、コストだけではなく品質でもダイレクト系が支持を受けていることを示しており、自動車保険業界における時代の転換を示す大きな結果であると言える。大手中古車販売会社による保険金不正請求問題や損保大手企業によるカルテルなどが騒がれた過去1年の中、代理店系は顧客からの厳しい視線にさらされ、その評価は大きく損なわれることとなった。特に、事故対応を経験した顧客にとって保険金不正請求問題は他人事ではなく、「契約者編」と比較して顧客満足度の大幅な低下につながったものと考えられる。代理店系各社ではこうした評価を真摯に受け止めるとともに、信頼回復に向けて顧客本位を実現するための仕組みや体制の徹底的な見直しが求められていると言えよう。」

J.D. パワー 2024年自動車保険事故対応満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。

第1位:ソニー損保(757ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「保険金支払」、「事故受付体制」、「事故対応担当者」、「調査/認定結果」の4ファクターで最高評価。
第2位:イーデザイン損保(730ポイント)
第3位:AIG損保(717ポイント)



《J.D. パワー 2024年自動車保険事故対応満足度調査(SM)概要》
年に1回、自動車保険(任意保険)の契約者を対象に実施し、過去2年以内における、契約先保険会社への事故連絡(保険金請求)時の対応、各種手続きや問合せ時の保険会社・代理店の対応実態や満足度を聴取し明らかにする調査。今回で19回目の実施となる。

■実施期間:2024年7月中旬~7月下旬 
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:過去2年以内に契約先保険会社への事故連絡(保険金請求)を行った人(18~99歳)
■調査回答者数:2,994人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「保険金支払」(44%)、「事故受付体制」(19%)、「事故対応担当者」(19%)、「調査/認定結果」(14%)、「修理サービス」(3%)、「代車/レンタカーサービス」(2%)となっている(カッコ内は影響度)。

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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